◎抗議デモを主催した野党指導者マジャール氏はMTVAを「政府のプロパガンダ工場」と呼んでいる。
ハンガリー・ブダペストの公共放送MTVA本社前で5日、抗議集会が開かれ、数千人がオルバン政権とMTVAに抗議した。
抗議デモを主催した野党指導者マジャール(Péter Magyar)氏はMTVAを「政府のプロパガンダ工場」と呼んでいる。
マジャール氏の新興政党TISZAは今夏のEU議会選で30%近い得票率を獲得し、与党フィデス・ハンガリー市民同盟に数ポイント差まで迫った。
マジャール氏は演説で、「オルバンのプロパガンダ工場がハンガリーの民主主義にダメージを与えている」と非難した。
またマジャール氏はMTVAが政府与党に不利な情報を遮断していると主張。「税金で運営されているMTVAが偽情報を拡散していることにウンザリしている」と述べた。「悪意、嘘、プロパガンダはもうたくさんだ。もう我慢の限界だ。対決の時が来た...」
国際的なオブザーバーもハンガリーの報道の自由が脅かされていること、オルバン(Viktor Orbán)首相が政府寄りのメディア帝国を築くために、政府とつながりのある財界の大物によるメディア買収を利用していることを以前から警告してきた。
国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団(RSF)」はこのような買収によって政府与党がハンガリーのメディア市場の約80%を支配するようになったと推定している。
2021年、同団体はオルバン氏をメディアの「捕食者」リストに加えた。