◎オルバン首相は国内のメディアに圧力をかけ、EUから何度も非難を浴びてきた。
ハンガリーの公共放送MTVAが18年ぶりとなる党首討論会を行い、オルバン(Viktor Orbán)首相ら11の政党の党首が参加した。
これに先立ち、首都ブダペストのMTVA本社前でオルバン政権に抗議する集会が開かれ、数千人が参加。与党フィデス・ハンガリー市民同盟とMTVAを厳しく批判した。
この討論会には来月の欧州議会選に出馬する11政党の党首が参加。MTVAが討論会を主催したのは2006年以来18年ぶりである。
オルバン氏は国内のメディアに圧力をかけ、EUから何度も非難を浴びてきた。
18年ぶりの党首討論会を開催するまでの道のりは論争に満ちていた。
野党はMTVAがオルバン政権寄りの報道を垂れ流していると非難している。今回の討論会についても、党首11人を全員ステージに立たせるという決定や、限られたテーマに反対する声が相次いだ。
政府与党とMTVAを最も声高に批判したのが政界の新参者であるマジャール(Péter Magyar)氏であった。
マジャール氏は汚職を一掃し、国民生活の質を高めると公約に掲げ、この数カ月で一躍有名になった。
討論会前、マジャール氏はMTVA本社前で数千人の支持者を前に演説。「MTVAはこの14年間、朝も昼も夜もウソを垂れ流してきた」と語った。
またマジャール氏は「国民の血税で運営されるMTVAが政府寄りの報道ばかりすることを疑問に感じない方がおかしい」と吠えた。
MTVAは政府寄りという野党の主張を否定している。