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ハンガリー野党党首、西側との関係改善約束、選挙戦本格化

マジャル氏はかつて、オルバン政権内で中心的役割を果たしていたが、2024年に離党し、TISZAを結成した。
2026年2月15日/ハンガリー、首都ブダペスト、最大野党TISZAのマジャル党首(AP通信)

ハンガリーの最大野党TISZA(尊敬と自由)のマジャル(Péter Magyar)党首は15日、首都ブダペストで行った選挙集会で、ハンガリーを西側陣営へ回帰させると公約した。4月12日に予定されている総選挙を控え、与党フィデス・ハンガリー市民同盟のオルバン(Viktor Orbán)首相との事実上の一騎打ちとなる選挙戦が本格化している。

マジャル氏はかつて、オルバン政権内で中心的役割を果たしていたが、2024年に離党し、TISZAを結成した。TISZAは短期間で支持を伸ばし、複数の世論調査でフィデスを上回る支持率を示すまでに躍進している。集会では「ハンガリーを再び西側の一員としてEUとNATOに深く結び付ける」と強調した。

演説の中心には、オルバン政権下で冷え込んだEUとの関係修復と、欧州との協調強化が据えられた。マジャル氏はEUが法の支配に関する懸念から一部の資金を凍結している現状を打開し、これらの資金を国内経済や社会サービスの改善に活用する方針を示している。また、2020年代末までにユーロ導入を目指す意向も表明した。

経済面では、腐敗撲滅や財政健全化、医療・交通インフラの改善などを掲げ、専門性を重視した人材による政権運営を強調した。TISZAが先ごろ発表した239ページに及ぶ政策プログラムには、汚職対策や市場競争の促進、中小企業支援策も盛り込まれている。

外交では、ウクライナ支援やEU内の役割強化に意欲を示す一方、ウクライナのEU加盟については慎重な姿勢を取ることも表明している。また、NATOとの関係強化や米国との協力深化を目指すとし、ロシアへのエネルギー依存からの段階的な転換を進める考えを述べた。

これに対し、オルバン氏は選挙戦でEUやリベラル勢力に対する批判を強めている。オルバン氏は「EUこそがハンガリーの真の脅威だ」と主張し、欧州や国際的な影響力からの独立を掲げる姿勢を鮮明にした。また、ロシアとの関係維持や反移民政策、国家主権の強化を訴え、国民の不安を利用する戦略を展開している。

選挙戦は国内外の政策をめぐって激しく対立しており、経済停滞やインフレ、腐敗の問題が国民の関心を集めている。世論調査ではTISZAが優勢に立つ一方で、無党派層が依然として多く、結果は予断を許さない状況だ。選挙戦はハンガリーの将来の方向性、EUとの関係維持か、独自路線の堅持かを決する重要な選択となる見込みである。

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