ギリシャ本土に移民500人到着、クレタ島から移送、大量流入に苦慮

クレタ島には先週末から今週初めにかけて、1000人以上の移民が流入。自治体は中央政府に緊急支援を要請していた。
2025年7月9日/ギリシャ、クレタ島の移民収容施設(AP通信)

ギリシャ南部クレタ島沖で拘束された500人を超える移民が9日、首都アテネ近郊の港に到着した。

クレタ島には先週末から今週初めにかけて、1000人以上の移民が流入。自治体は中央政府に緊急支援を要請していた。

ギリシャ政府は先月、移民の流入を食い止めるため、アフリカ北部・リビア領海近くに2隻のフリゲート艦を派遣すると発表した。

また政府はリビアに対し、ギリシャおよびEUと緊密に連携し、移民がリビアから船で渡航することを阻止するか、リビア領海を出る前に引き返させるよう要請していた。

現地メディアによると、本土に到着した移民の大半が若い男性であった。

クレタ島当局は民間と政府の支援を受け、500人以上を本土に送った。

移民たちはアテネ近郊の収容施設に送られる予定である。

クレタ島は島内の収容能力が限界に達したとして、政府に対応を求めていた。

ミツォタキス(Kyriakos Mitsotakis)首相は9日、北アフリカから海路で到着する移民の難民申請手続きを3ヶ月間停止すると発表した。

この措置は10日に議会で緊急修正案として採決される予定だ。

ギリシャは豊かな西欧への亡命を求める移民の中継地であり、トルコ西岸とアフリカ北部リビアやチュニジアに拠点を置く人身売買組織が頻繁に利用している。

その多くがトルコ沿岸からギリシャの島々へボートで横断を試みる。

ギリシャ当局は中東の紛争が移民の急増をまねていると指摘。昨年拘束した移民は6万人を超え、23年比で50%近く増加した。最も多かったのはシリア人であった。

ギリシャ政府はこの海域のパトロールを強化。その結果、多くの人身売買組織がアフリカ北岸からギリシャ南部へ移民を輸送するルートを使うようになった。

クレタ島に到着した移民の多くが中東や北アフリカ出身、バングラデシュ人やパキスタン人も確認されている。

EUの執行機関である欧州委員会の代表団は今週、ギリシャ、イタリア、マルタの政府代表と共にリビアを訪問し、欧州への移民の流出を抑制する措置を講じるよう求めたが、協議は平行線をたどった。

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