SHARE:

フランス・リヨンで極右活動家殺害に抗議するデモ、緊張高まる

行進は極右グループが主催し、厳重な警備のもと平穏に進んだ。
2026年2月21日/フランス、リヨン、極右活動家が殺害された事件に抗議するデモ(AP通信)

フランス・リヨンで21日、極右活動家が殺害された事件に抗議するデモ集会が行われ、約3000人が市内を行進した。これは23歳の活動家であるカンタン・ドゥランク(Quentin Deranque)氏の死を悼むもので、政治的緊張が高まる中で実施された。ドゥランク氏は先週、リヨンの学生集会の会場付近で左派と右派支持者の衝突に巻き込まれ、頭部外傷により病院で死亡した。

行進は極右グループが主催し、厳重な警備のもと平穏に進んだ。参加者の中には黒い服を着て顔を部分的に覆った者も見られ、一部は白いチューリップを手にし、「カンタンはメランション(左派政党の指導者)の民兵に殺された」といったステッカーを掲げた。主催者側はドゥランク氏が「左翼ゲリラに殺された」と表現し、追悼と正義の実現を訴えた。

死の原因となった衝突については、現地検察が捜査を進めており、7人の起訴状が請求されている。検察は殺人、殺人未遂、暴行、共謀などの容疑を求め、6人が殺人罪などで起訴、1人が共謀などの罪で起訴されている。衝突は極左と右派支持者の間で起きたとみられている。

この事件を受けてマクロン(Emmanuel Macron)大統領は21日、集会を前に冷静な対応を呼びかけた。マクロン氏は「まず第一に、この若い同胞の死を悼むことが重要だ」と述べたうえで、「その後は強さと責任を持つべき時だ」と強調し、政治的暴力は容認できないと訴えた。また、政府は今後、政党と関係する「暴力的な活動家グループ」の包括的な見直しを行い、一部のグループは解体される可能性もあると示唆した。マクロン氏は「フランスにおいて、暴力は正当化されない。どこから来ようと民兵に居場所はない」と述べた。

リヨンは近年、極右活動家と左派グループの対立が頻発する地域となっている。これらの衝突は市街戦のような形でしばしば発生し、市内の治安当局の警戒も強まっている。左派グループはリヨンが歴史的に極右活動の温床となってきたと主張し、抗議や対立の連鎖を懸念している。

一方で、ドゥランク氏の両親は静かな追悼を望み、行進には参加しなかった。フランスの政治状況は今春の地方選挙、そして2027年の大統領選挙を見据えて緊迫感が高まっており、今回の事件は政治的論争をさらに激化させる要因となっている。極右「国民連合(RN)」の党首や他の政治家も、この事件をめぐる批判や責任の所在について発言を繰り返している。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします