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英イングランドのモスクで放火事件、警察が「憎悪犯罪」として捜査

警察が公開した防犯カメラの映像には、2人組がモスクの正面玄関に近づき、入口に火をつける様子が映っている。
2025年10月6日/英イングランド、南東部イーストサセックス州、放火被害に遭ったモスクの駐車場(AP通信)

イングランド南東部イーストサセックス州のモスクが放火され、警察が捜査している。サセックス警察が6日、明らかにした。

それによると、事件は4日の午後9時45分頃に発生。火災報知器がなり、消防が対応した。

サセックス警察は声明で、「モスクの正面玄関と外に駐車していた車両の一部が損傷したが、ケガをした人はいなかった」と述べた。

また警察は「ヘイトクライム(憎悪犯罪)として捜査を開始した」と強調した。

マンチェスターのシナゴーグ(ユダヤ教の会堂)ではこの2日前にテロ攻撃が発生し、2人が死亡、4人が負傷。容疑者の男はその場で射殺された。

警察が公開した防犯カメラの映像には、2人組がモスクの正面玄関に近づき、入口に火をつける様子が映っている。

2023年10月にガザ紛争が勃発して以来、イギリスではヘイトクライムが増加している。その主な理由は、国際的な緊張が国内の宗教・民族的対立を刺激し、社会の分断を深めていることにある。特に、イスラエルとハマスの対立が激化する中で、イギリス国内でもユダヤ人コミュニティに対する反ユダヤ主義的な言動や、イスラム教徒に対する嫌がらせや暴力が増加している。

SNS上では過激な言説が拡散されやすく、それが現実世界での攻撃や差別につながるケースも多い。さらに、一部の政治家やメディアの発言が偏った印象を与えることで、特定の集団への憎悪を助長する要因となっている。

イギリスは多文化社会であるがゆえに、海外の紛争が国内の人々の感情を強く揺さぶり、ヘイトクライムという形で表出する傾向が強まっている。これに対し、警察や政府は対策を講じているものの、根本的な解決には至っていない。

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