◎巡視艇はサモス島沖数百メートルの地点で不審な船を発見。人身売買業者とみられる男2人が31人を海に突き落とし、逃亡を図った。
ギリシャ南部、沖合で保護された移民たち(Getty Images)

ギリシャ沿岸警備隊がトルコ沿岸に近い南部サモス島沖で移民31人を救助し、うち1人の死亡を確認した。同警備隊が17日、明らかにした。

それによると、巡視艇はサモス島沖数百メートルの地点で不審な船を発見。人身売買業者とみられる男2人が31人を海に突き落とし、逃亡を図ったという。

巡視艇は警告射撃を行い、その後、この船に乗っていたトルコ国籍の男2人を逮捕した。

沿岸警備隊によると、27人が自力でサモス島の海岸に泳ぎ着いたという。その後、捜索・救助活動が行われ、海上で3人を救助、男性1人の遺体が見つかった。それ以外の行方不明者は報告されていない。

ギリシャは豊かな西欧への亡命を求める移民の中継地であり、トルコとアフリカ北部リビアやチュニジアに拠点を置く人身売買組織が頻繁に利用している。

その多くがトルコ沿岸からギリシャの島々へボートで横断を試みる。しかし、この海域の国境警備は強化されているため、トルコ南部または北アフリカから大型船で直接イタリアに向かう者も少なくない。

人身売買業者は移民から1人当たり数千ドルを徴収し、ギリシャやイタリア領海に侵入する。

人身売買業者はこの海域の警備が強化されたことを受け、パトロールをかわすために高性能のスピードボートを使用することが多くなった。

スピードボートが巡視艇に突っ込む事件も発生し、警告射撃の銃弾が移民にあたり死亡したこともあった。

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