ギリシャ沿岸警備隊、南部沖で移民600人超救助
ギリシャは豊かな西欧への亡命を求める移民の中継地であり、トルコ西岸とアフリカ北部リビアやチュニジアに拠点を置く人身売買組織が頻繁に利用している。
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ギリシャの沿岸警備隊は20日、同国南部沖で19日夜から20日未明にかけて600人を超える移民を救助したと明らかにした。
それによると、1隻目の漁船はクレタ島南方沖で19日夜に発見され、352人が乗っていたという。欧州国境沿岸警備機関(Frontex)が救助を主導し、ギリシャ沿岸警備隊の巡視艇と民間船舶が支援した。
2隻目はクレタ島の南方約90キロメートルの地点で見つかり、278人の移民が救助された。付近を航行中のポルトガル船籍の貨物船が発見したという。
移民は全員クレタ島に移送された。
人々の国籍は明らかになっていない。
沿岸警備隊によると、19日に同じ海域で移民を乗せた2隻の船が発見された。1隻には73人の男性が、もう1隻には未成年者3人を含む26人が乗っていた。
ギリシャは豊かな西欧への亡命を求める移民の中継地であり、トルコ西岸とアフリカ北部リビアやチュニジアに拠点を置く人身売買組織が頻繁に利用している。
その多くがトルコ沿岸からギリシャの島々へボートで横断を試みる。
ギリシャ当局は中東の紛争が移民の急増をまねていると指摘。昨年拘束した移民は6万人を超え、23年比で50%近く増加した。最も多かったのはシリア人であった。
ギリシャ政府はこの海域のパトロールを強化。その結果、多くの人身売買組織がアフリカ北岸からギリシャ南部へ移民を輸送するルートを使うようになった。
地元テレビ局は当局者の話しとして、「一部の移民がリビアで人身売買組織に4000ユーロを支払って船に乗せてもらったと証言した」と伝えている。