◎中東、アフリカ、アジアの貧しい国々から逃亡した亡命希望者たちは、トルコ西岸からギリシャを目指して危険な旅に出る。
2022年8月11日/イタリア領ランペドゥーサ島の沖合、岸を目指す亡命希望者たち(Getty Images/AFP通信)

ギリシャの警察当局は11日、隣国トルコの領海内の小島に漂着したとされる移民約40人を救助するようトルコ政府に要請したと発表した。

警察によると、このグループは数日前に小島に流れ着いたとみられ、一部は医療援助を必要としている。

警察は声明の中で、「援助団体から移民が島に取り残されているという情報を受けたものの、対象の小島はギリシャの領海外であったため、トルコ政府に救援を依頼した」と述べている。

トルコメディアによると、政府は11日、ギリシャから支援要請があったことを認めたという。

トルコ国営テレビは政府筋の話を引用し、「ギリシャ政府から移民を救助し、必要な支援を提供するよう求められた」と報じている。

一方、ギリシャの国営ラジオ・テレビERTはこの40人を確認したとされる人権団体の話を引用し、「移民たちはトルコとギリシャの境界付近をフラフラと漂い、小島に上陸した」と報じている。またERTは小島でサソリに刺された5歳の少女が死亡したと伝えた。

AP通信によると、ギリシャ警察と国境警備隊はこの移民グループが数日前から地中海を漂っているという情報を認識し捜索していたが、発見できなかったという。

しかし、政府に難民を積極的に保護するよう要請しているギリシャ難民協議会はAP通信に対し、「7月中旬にこの移民グループが地中海にいるという話を聞いた」と述べた。

同評議会によると、このグループはギリシャの領海内に入ったものの、ギリシャの国境警備隊につかまり、トルコ領海に押し戻されたという。

同評議会は、「トルコの国境警備隊はこのグループを拘束し、小島に無理やり上陸させた」と報告しているが、事実か否かは不明である。

中東、アフリカ、アジアの貧しい国々から逃亡した亡命希望者たちは、トルコ西岸からギリシャを目指して危険な旅に出る。

人権団体や活動家は、「ギリシャ政府は自国領内に入った亡命希望者の権利を尊重せず、元の国に送り返す、または領海外に押し出している」と主張しているが、ギリシャ政府はこれを否定している。

これが事実であれば、領内に入った庇護希望者は保護しなければならないという国際条約違反である。内戦、紛争、拷問から逃れた難民(亡命希望者)は「難民の地位に関する1951年の条約 」に基づき、難民としての地位を主張する権利を持っている。

ギリシャの島々は2015年と2016年に発生したシリア難民危機の主要な入り口のひとつだった。危機の間、100万人以上がこのルートを利用してギリシャや他のヨーロッパ諸国に渡ったと推定されている。

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