◎ギリシャとトルコは名目上はNATOの同盟国だが、関係は緊迫している。
ギリシャ政府は30日、トルコ国境に建設した「鋼鉄製の壁」の大幅な拡張を目指し、EUに財政支援を求めていると明らかにした。
ミタラチ(Notis Mitarachi)移民問題担当相はソーシャルメディアに地元ラジオ局のインタビュー音声を投稿し、拡張計画の概要を紹介した。「鋼鉄製の壁を40kmから120kmに延長する計画で、今年後半に建設を開始する予定です...」
またミタラチ氏は「政府は国境壁の拡張を承認し、EUに財政支援を要請した」と説明したが、工事の予算規模は明らかにしなかった。
ギリシャは隣国トルコがEUに圧力をかけるために亡命希望者を「兵器化」していると非難している。
トルコ政府はこの主張を否定し、「隣国シリアの窮状を支えているトルコを侮辱すべきではない」としている。トルコはシリア難民推定400万人を受け入れている。
ギリシャの島々とキプロスは2015年~2016年に発生したシリア難民危機の主要な入り口のひとつとなり、危機の間、100万人以上が複数のルートを使ってEUに渡ったと推定されている。
昨年、ギリシャを含むEU加盟12カ国が国境壁やフェンスの建設資金を提供するようEUに要請した。
EUの執行機関である欧州委員会はこの要請をすべて却下している。