◎連邦議会は今年2月、極右政党「ゴールデン・ドーン(黄金の夜明け)」などの選挙参加を禁じる法案を圧倒的賛成多数で可決した。
ギリシャの最高裁判所は2日、極右政党「ゴールデン・ドーン(黄金の夜明け)」から分離した「ギリシャ人党」の選挙参加を禁じる法改正を支持した。
連邦議会は今年2月、ゴールデン・ドーンなどの選挙参加を禁じる法案を圧倒的賛成多数で可決した。
ゴールデン・ドーンはネオナチを起源とする極右政党。党首のカシディアリス(Ilias Kasidiaris)受刑者は禁固13年の刑に服している。
この法改正により、重大な犯罪で有罪判決を受けた政治家が率いる政党や憲法に反する活動をしたり、推進したりする政党・組織は選挙に参加できなくなった。
与野党は改正案を広く支持したが、ギリシャ人党はこれを「投票権の侵害」と非難し、裁判に打って出た。
ギリシャ人党は法案が可決される半日前に党首をカシディアリス受刑者から別の議員に変更したが、今月21日に予定されている総選挙に候補を擁立することはできない。
最新の世論調査によると、ミツォタキス(Kyriakos Mitsotakis)首相の与党・新民主主義党(ND)は第一党を維持する見込みだが、単独過半数は厳しい情勢。一部のメディアは連立交渉が難航し、再選挙もあり得ると予想している。
一方、ゴールデン・ドーンは議席獲得に必要な投票率(しきい値)3%を超えると予想されていた。
アテネ地裁は2020年、移民や政府支持者に対する暴力キャンペーンを行ったとして、ゴールデン・ドーンを犯罪組織に指定。その後、実刑判決を受けたカシディアリス受刑者はギリシャ人党を設立した。