◎ギリシャ沿岸警備隊はこれまでに78人の死亡を確認し、104人を救助。500人以上が今も行方不明のままである。
ギリシャ西部カラマタ沖の移民船沈没事故で逮捕・起訴されたエジプト人9人が無罪を主張した。現地メディアが19日に報じた。
9人の容疑者は20歳から40歳、過失致死傷や組織的な人身売買に関与した罪などに問われている。
9人は19日にカラマタの地方裁判所に出廷した。
弁護士のひとりは記者団に対し、「9人は全員乗客であり、密輸業者ではない」と語った。
この漁船にはシリア、エジプト、パレスチナ、パキスタンの亡命希望者とみられる750人もの男性、女性、子供が乗船していたと推定されている。
ギリシャ沿岸警備隊はこれまでに78人の死亡を確認し、104人を救助。500人以上が今も行方不明のままである。
英BBCによると、この漁船は沈没するまでの約7時間、現場海域にとどまり、全く動いていなかったという。
しかし、沿岸警備隊は移民たちが助けを拒み、イタリアへの航路を進んでいたと主張している。
ギリシャ政府も警備隊の主張を支持し、「漁船は沈没する直前まで救助を望まず、危険な状態にはなかった」と述べている。
被告人の弁護士は裁判所の入り口付近で記者団の取材に応じ、「9人は欧州への亡命を希望し、人身売買組織に金を払い、船に乗せてもらった」と語った。
「彼らは組織の構成員ではなく、亡命を希望する移民のひとり。ただの乗客です...」
地裁は20日の審理で9人の勾留を延長するかどうかを決める予定だ。
一方、パキスタン当局はこの事故で溺死した移民数人の人身売買に関与した疑いで14人を逮捕した。
同首相府は19日の声明で、「ギリシャの組織的な人身売買に関与したとされる14人を逮捕し、さらなる捜査を進めている」と明らかにした。
当局によると、行方不明者のうち少なくとも21人がパキスタンのカシミール地方出身。生還したパキスタン人12のうち2人がカシミール出身だった。
国連はギリシャの沿岸警備隊がもっと早く行動を起こしていれば事故を防げた可能性があると主張し、独立した機関による調査を要求している。