◎ゼネストにより、南部の島々を結ぶフェリーは運休となり、他の公共交通機関も運行を停止した。
ギリシャの主要2労働組合が20日、24時間のゼネラルストライキを開始した。
首都アテネで約1万2000人、第2の都市テッサロニキでは約5000人がデモ行進と集会に参加。政府と会社に対し、最低賃金の引き上げ、組合員の生活水準を低下させているインフレへの対応強化、住宅支援、低所得者への補助金拡充などを求めた。
ゼネストにより、南部の島々を結ぶフェリーは運休となり、他の公共交通機関も運行を停止した。
地元メディアによると、公立病院の医療スタッフや教師の一部もストに参加したという。
全国の労組は賃上げなどに加えて、2010~18年にかけての金融危機の際に見直された団体交渉権の権利を完全に回復するよう求めている。
アテネのデモを主催した労働者総同盟の書記長は演説で、「サラリーマンの憤りを政府と会社に伝えることが重要だ」と語った。
ギリシャはEUや国際通貨基金(IMF)から数百億ユーロの借金を余儀なくされた金融危機から立ち直ったものの、債務残高の対GDP比は今もEU加盟国の中で最も高い。
また政府はウクライナ戦争とパンデミックに端を発するインフレへの対応にも苦慮している。
19日に24時間ストを行ったジャーナリスト組合は職場に復帰し、このデモを中心にテレビ放送などを再開した。