ギリシャ・クレタ島に移民大量流入、3日間で1200人救助
ギリシャは豊かな西欧への亡命を求める移民の中継地であり、トルコ西岸とアフリカ北部リビアやチュニジアに拠点を置く人身売買組織が頻繁に利用している。
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ギリシャ当局は7日、南部クレタ島の近海で1200人以上の移民を救助したと明らかにした。
それによると、沿岸警備隊は5~7日にかけて、アフリカ北部・リビアを出航したとみられる複数の移民船を発見・救助したという。
クレタ島の地元当局は中央政府に支援を要請。本土に移民を輸送するよう求めている。
ギリシャ政府は先月、移民の流れを食い止めるため、アフリカ北部・リビア領海近くに2隻のフリゲート艦を派遣すると発表した。
また政府はリビアに対し、ギリシャおよびEUと緊密に連携し、移民がリビアから船で渡航することを阻止するか、リビア領海を出る前に引き返させるよう要請した。
ギリシャ首相府の報道官は7日、ミツォタキス(Kyriakos Mitsotakis)首相の声明を引用し、「沿岸警備隊と海軍のパトロール部隊が南部海域のパトロールを強化している」と明らかにした。
また報道官は、「今年1~6月末の間にクレタ島に到着した移民は8000人近くに上る」と強調した。
ギリシャは豊かな西欧への亡命を求める移民の中継地であり、トルコ西岸とアフリカ北部リビアやチュニジアに拠点を置く人身売買組織が頻繁に利用している。
その多くがトルコ沿岸からギリシャの島々へボートで横断を試みる。
ギリシャ当局は中東の紛争が移民の急増をまねていると指摘。昨年拘束した移民は6万人を超え、23年比で50%近く増加した。最も多かったのはシリア人であった。
ギリシャ政府はこの海域のパトロールを強化。その結果、多くの人身売買組織がアフリカ北岸からギリシャ南部へ移民を輸送するルートを使うようになった。
クレタ島に到着した移民の多くが中東や北アフリカ出身、バングラデシュ人やパキスタン人も確認されている。
EUの執行機関である欧州委員会の代表団は今週、ギリシャ、イタリア、マルタの政府代表と共にリビアを訪問し、欧州への移民の流出を抑制する措置を講じるよう再度求める予定だ。