◎市内には警察官約5000人が配備され、主要道路は通行止めになり、デモルート上の3つの地下鉄駅が閉鎖された。
ギリシャの首都アテネで17日、1973年の学生蜂起を記念するデモ行進が行われ、数千人が参加した。
報道によると、議会議事堂周辺には機動隊が配備され、物々しい雰囲気に包まれていたという。
この記念デモは毎年この時期に行われ、アテネ工科大学から在ギリシャ・米国大使館まで行進することが慣例になっている。
過去のデモはしばしば暴動に発展し、ケガ人も出ている。
デモ隊を先導したのは例年通り、蜂起で血まみれになった国旗を米大使館に運ぶ人々である。当時の学生たちは軍事政権を支持する米国に抗議するため、大使館に向かって行進した。
デモ隊はアテネの中心部を抜け、警察官が配備された公館近くを通過。警察のヘリコプターが上空を旋回する中、米大使館まで行進した。
報道によると、市内には警察官約5000人が配備され、主要道路は通行止めになり、デモルート上の3つの地下鉄駅が閉鎖されたという。
軍事政権は1973年11月、アテネ工科大学の学生が主導した民主化デモを鎮圧するために軍と警察を動員した。警察は非武装の市民に発砲し、陸軍の戦車が大学近くの門を突き破った。
この弾圧で市民少なくとも20人が死亡したと伝えられているが、正確な死者数は明らかになっていない。
この蜂起後、政権の強硬派が穏健派を追いやり権力を手中に収めた。しかし翌年7月、強硬派はキプロスに侵攻したトルコ軍の圧力に屈し崩壊。ギリシャに民主主義が戻った。