ギリシャ、労働時間の延長認める可決可決、1日13時間労働
これは現行の1日8時間労働を最大13時間に変更することを可能とする。政府与党はこれが「労働市場の柔軟性と効率性を高める」と説明している。
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ギリシャ議会(一院制、定数300)は16日、生活費の高騰に苦しむ労働者らの抗議にもかかわらず、民間企業の雇用主が労働時間を延長することを認める改正労働基準法案を賛成多数で可決した。
これは現行の1日8時間労働を最大13時間に変更することを可能とする。政府与党はこれが「労働市場の柔軟性と効率性を高める」と説明している。
しかし、賃金停滞や食料・家賃の高騰に苦しむ労働組合員たちは、この法案を権利侵害の動きと捉え、今月だけで2度ゼネラルストライキを決行した。
首都アテネのデモに参加した男性はロイター通信の取材に対し、「欧州各国が労働時間短縮を議論する中、ギリシャは逆に引き延ばそうとしている」語った。
また男性は「この2年間で家賃が倍増した」と明らかにした。
EUの執行機関である欧州委員会のデータによると、ギリシャの週平均労働時間は約40時間で欧州最長クラス。ドイツの平均34時間、オランダの32時間を大きく上回る。
コロナ禍以降のギリシャ経済は、大きな打撃を受けながらも徐々に回復の兆しを見せている。2020年にはパンデミックの影響で観光業が壊滅的な打撃を受け、GDPは約9%減少した。ギリシャ経済は観光への依存度が高いため、国境閉鎖や移動制限が大きく影響した。しかし、EUの復興基金による支援や、政府の財政刺激策によって、経済は2021年以降回復基調に入った。
2022年からはエネルギー価格の高騰やインフレの影響を受けつつも、観光業の復調と輸出の増加により成長を続けている。失業率も徐々に改善し、国際的な信用も向上している。
2023年にはギリシャ国債の格付けが引き上げられ、金融市場での信頼も回復している。ただし、インフラ投資や若年層の雇用改善といった課題は依然として残っており、持続的な成長には構造改革の継続が求められている。