米イラン紛争、欧州各国が自国民の退避急ぐ、空域閉鎖で大混乱
紛争はイスラエルと米国によるイランへの空爆、イラン側の報復攻撃などが続く中で激化し、地域の空域が閉鎖または厳しく制限され、通常の航空路が途絶したため、帰国を希望する外国人旅行者や長期滞在者が足止めされている。
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各国政府が中東での戦闘激化による航空便の大規模な混乱を受けて、自国民の帰国支援に全力を挙げている。紛争はイスラエルと米国によるイランへの空爆、イラン側の報復攻撃などが続く中で激化し、地域の空域が閉鎖または厳しく制限され、通常の航空路が途絶したため、帰国を希望する外国人旅行者や長期滞在者が足止めされている。こうした状況は世界的な旅行混乱を招いている。
フランス政府は4日、オマーン・マスカットを出発し、エジプト・カイロを経由してパリに向かう最初の帰国便の受け入れに成功した。フランス当局は子どもや高齢者、病気の人など脆弱な立場にある人を優先した上で席を確保したとしている。さらに、イスラエルに滞在していたフランス国民のグループも、エジプト経由の便で帰国する計画が進められているという。仏大統領府は中東地域に数十万人の同国民がいると見積っている。
イタリア政府もドバイなどで足止めになっていた学生をローマやミラノなどに帰国させるなど複数の便を手配している。イギリス政府はオマーンからのチャーター便を準備中、今後の帰国便を運航していく予定だとしている。イギリス外務省によると、中東地域に滞在する英国人は13万人以上に上るが、そのすべてが帰国を希望しているわけではない。
アイルランド政府もエミレーツ航空によるドバイ発ダブリン行きの便を確保し、推定2万2000人から2万3000人の自国民支援に取り組んでいる。また、オマーンから約280人を乗せたチャーター便の運航も計画されている。ノルウェー外務省はドバイに緊急チームを派遣し、同国の約1500人の滞在者支援を強化する方針を発表した。
米国は中東の安全リスクが深刻化しているとして、14カ国にいる米国民に直ちに退避するよう強く促す勧告を出した上で、アラブ首長国連邦(UAE)やサウジアラビア、ヨルダンなどからのチャーター便手配を進めている。また、民間航空便が利用可能な場合はそれらを活用する支援も行っていると発表している。AP通信によると、2月末に戦闘が始まって以来、約9000人の米国民が中東地域を離れ、うち300人以上がイスラエルから帰国したという。
このほか、地域の空港閉鎖やフライトキャンセルが連鎖的に発生しているため、多くの旅行者が乗り継ぎ地点や都市に取り残されている。特にバリ島など中東を経由する長距離便を利用していた旅行者は帰国ルートを断たれ、現地当局による一時滞在措置や便の再発着便待ちなどの対応を余儀なくされている。航空業界全体でも欠航が相次ぎ、事態解消の見通しは立っていない。
各国政府は自国民の安全確保を最優先に位置づけ、軍用機やチャーター便、商業便を総動員して帰国支援を強化している。帰国希望者は各国大使館や政府の情報窓口を通じて最新情報を確認するよう呼びかけられている。
