◎地元紙「デア・シュピーゲル」は政府筋の話として報じ、その後、他のメディアも続いた。
ドイツのメディアは24日、ショルツ(Olaf Scholz)首相が自国の主力戦車「レオパルト2」のウクライナへの供与を許可すると報じた。
レオパルト2はドイツで製造されており、ウクライナに送るためには独政府の許可が必要である。
ショルツ氏は戦車の供与が紛争をエスカレートさせる恐れがあるとして、慎重な姿勢を示してきた。
地元誌「デア・シュピーゲル」によると、ショルツ氏はレオパルト2を少なくとも14両ウクライナに送ることを決めたという。
ポーランドも同数供与する意向を示している。イギリスはチャレンジャー2を14両供与すると発表済みだ。
英シンクタンク「国際戦略研究所(IISS)」によると、NATOに加盟する16カ国がレオパルト2を保有しているという。
ショルツ氏が決断すれば、ポーランドを含むNATOの同盟国はウクライナにレオパルト2を供与できるようになる。
デア・シュピーゲル誌は政府筋の話として報じ、その後、他のメディアも続いた。
政府はまだ公式声明を出していない。ショルツ氏は25日に連邦議会で演説することになっている。
ショルツ氏の与党「社会民主党」と連立を組む「自由民主党」は報道を歓迎した。
自由民主党の報道官はSNSに、「決定に多くの時間を要したが、やむを得ない」と投稿。ショルツ氏を擁護した。
連邦議会の下院副議長も「レオパルトが解き放たれる」とツイートしている。
西側の同盟国はこの数日、ドイツがレオパルト2の供与をためらっていると不満を募らせていたい。
ポーランドのモラウィエツキ(Mateusz Morawiecki)首相は24日、英BBCニュースのインタビューで、「ドイツにはウクライナを支援する特別な責任がある」と語った。
またモラウィエツキ氏は「ドイツは決定を先送りし、かわし、理解しがたい行動を示している」と非難した。
一方、米ウォール・ストリート・ジャーナル紙は同日、「ホワイトハウスは相当数のエイブラムスM1戦車をウクライナに供与すると今週中に発表する可能性がある」と報じた。
ドイツ政府は先週、米国がエイブラムスの供与を決めれば、レオパルトを供与するという見解を示していたとされる。
ウクライナ大統領府の報道官は24日、テレグラムに声明を投稿し、西側諸国に戦車数百両を供与するよう強く求めた。