◎ナチスがポーランドに設置したアウシュビッツ・ビルケナウ強制収容所がソ連軍によって解放されてから27日で79年を迎えた。
ドイツのショルツ(Olaf Scholz)首相は、ホロコースト記念日に先立ち声明を発表し、極右過激派の台頭に深刻な懸念を表明した。
ショルツ氏はネオナチとその闇のネットワークに警告を発し、国民に対し、人種差別および反ユダヤ主義を容認せず、闘うよう呼びかけた。
デュッセルドルフでは極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」に抗議するデモ行進が行われ、数千人が参加した。
連邦議会は現在、ナチスを彷彿とさせる過激派の活動を禁じるかどうかを議論している。
ナチスによるユダヤ人大虐殺では600万人が犠牲になったと推定されている。
ナチスがポーランドに設置したアウシュビッツ・ビルケナウ強制収容所がソ連軍によって解放されてから27日で79年を迎えた。
ショルツ氏は演説の中で、「ネオナチとその暗躍するネットワークについて、常に新しい報告がなされている。同時に、右派のポピュリストが台頭し、恐怖を煽り、憎悪をまき散らしている」と指摘した。
またショルツ氏は「このような事態を受け入れるわけにはいかない」と強調。国民に対し、極右勢力に立ち向かい、民主主義を守るよう訴えた。
憲法裁判所は今週、急進極右政党Die Heimatに対する政党交付金とその他の税制上の優遇措置を違憲と裁定。その交付と優遇措置を直ちに停止するよう命じた。
ショルツ氏はこの判決を支持し、「政府は必要に応じてさらなる措置を講じる用意がある」と表明した。
ドイツ通信社(dpa)によると、同国の政党が活動禁止令を受ける前に政党交付金を差し止められたのはこれが初めて。
最新の世論調査によると、AfDの支持率は2021年の連邦議会選時の10.3%から23%に急上昇。1位の最大野党・キリスト教民主同盟(CDU)に肉薄している。
AfDの候補は昨夏、ナチス以来初めて、市長選と地区議会選で勝利を収めた。バイエルン州とヘッセン州の選挙でも議席を大きく伸ばし、今年9月に予定されているザクセン州、テューリンゲン州、ブランデンブルク州では第1党に躍進する可能性も取り沙汰されている。