◎検察によると、ドイツ人22人とロシア人1人が罪状認否のために裁判所に出廷した。
ドイツ当局は9日、連邦判事が政府転覆を計画した疑いで拘束された23人の拘留を承認したと発表した。
当局は海外が拘束された2人の身柄引き渡し手続きを進めている。
検察によると、ドイツ人22人とロシア人1人が罪状認否のために裁判所に出廷したという。判事は「事件の捜査が続く間は23人を拘留する」という検察の要請を認めた。
警察は23人の認否を明らかにしていない。
また検察は、イタリアとオーストリアで拘束された男2人の身柄引き渡し手続きを進めていると説明した。
当局は容疑者たちが極右組織「帝国市民(Citizens of the Reich)」の一員であると説明している。この組織と信奉者たちは現在のドイツ憲法と政府を否定し、ドイツ帝国(1871~1918年)はまだ存在していると主張している。
当局によると、容疑者たちは71歳の実業家である「ハインリヒ13世ロイス公(Heinrich XIII Prince Reuss)」をトップとする新政府の樹立を画策していたという。
ドイツは1世紀以上前に王族制度を廃止している。ハインリヒ13世は現在のテューリンゲン州を支配していた旧貴族ロイス家の子孫であることから「王子」の称号を使い続けている。
ドイツ国内では極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」に再びスポットライトが当たっている。当局によると、AfDの元女性議員も逮捕者に含まれている。
この女性はベルリンの現職判事であり、クーデターが成功すれば法務大臣を務めるよう指示されていたという。
AfD指導部はチーム13世の計画を糾弾したが、一部の議員は家宅捜索を「ドイツ史上最大の権力乱用」と批判した。
バイエルン州のAfD地方議員はSNSに、「当局は野党に圧力をかけている」と投稿している。
しかし、ショルツ(Olaf Scholz)首相率いる社会民主党とその他の主要野党はAfDとチーム13世のつながりを徹底的に調査するよう求めている。
バイエルン州知事は8日、「情報機関はAfDの監視を強化すべき」と提案した。
社会民主党の書記長も怒りを表明し、AfDを「憎悪、扇動、暴力のインターフェース」と糾弾した。