◎パレスチナの過激派「黒い九月」は50年前の9月、ミュンヘン五輪のイスラエル代表選手11人とドイツ人警察官1人を殺害した。
ドイツ、ミュンヘン五輪の選手村、パレスチナの過激派「黒い九月」の戦闘員(Getty Images)

ドイツ政府は31日、1972年のミュンヘン五輪事件で殺害されたイスラエル人選手の遺族に対する補償で合意に達したと発表した。

パレスチナの過激派「黒い九月」は50年前の9月、ミュンヘン五輪のイスラエル代表選手11人とドイツ人警察官1人を殺害した。このグループはパレスチナ自治区のアッバス(Mahmud Abbas)議長のファタハとつながっていた。

ドイツ通信社(dpa)によると、政府は遺族に計2800万ユーロを支払うことで合意したという。

犠牲者の遺族は今月初め、ドイツ政府との補償に関する協議が決裂したため、9月に予定されている50周年式典をボイコットすると表明した。

イスラエルのヘルツォーク(Isaac Herzog)大統領はこの取引を歓迎した。

1972年9月5日に発生した襲撃事件は五輪史上最悪の混乱・破壊・死をもたらした事件として記憶されている。

黒い9月の戦闘員は選手村を襲撃し、イスラエルの選手団を人質に取った。

11人のうち2人は選手村で射殺、残りは飛行場近くの銃撃戦に巻き込まれ死亡した。

ドイツのシュタインマイヤー(Frank-Walter Steinmeier)大統領はヘルツォーク氏との共同記者会見で、「合意に達したことを嬉しく思う」と語った。

ドイツ政府は事件に関する文書の機密を解除するとしている。これには、人質の救出に失敗した経緯などがまとめられているとみられる。

犠牲者の遺族は当時のドイツ政府がテロ対策を怠り、選手村を含む会場の警備にも不備があったと長年非難してきた。

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