◎両首脳はウクライナ東部の緊張などについて協議した。
2021年12月10日/フランス、パリのエリゼ宮殿、エマニュエル・マクロン大統領とオラフ・ショルツ独首相(Getty Images/AFP通信)

12月10日、ドイツのオラフ・ショルツ首相は初の外国訪問でフランスのエマニュエル・マクロン大統領と会談し、ウクライナ東部の緊張などについて協議した。

ショルツ首相は会談後の共同記者会見でウクライナの状況に深刻な懸念を表明し、ロシアにウクライナの主権を尊重するよう強く要請した。「領土主権と国境の不可侵権は私たちが受け入れなければならない原則のひとつであり、全ての国にあてはまります...」

ドイツ政府によると、ショルツ首相はEUおよびNATO(北大西洋条約機構)の当局者とブリュッセルで会談する予定だという。

マクロン大統領はロシアのウラジーミル・プーチン大統領と来週会談すると明らかにした。

マクロン大統領は記者団に、「最初の目標は無駄な緊張を避けること」と強調した。「私は欧米が非常に懸念していることをロシアに伝えます。エスカレーションは避けなければなりません」

ドイツとフランスはドンバス戦争の調停者を務めている。

一方、ジョー・バイデン大統領は9日の民主主義サミットやその他の会見でロシアに外交で緊張を緩和するよう呼びかけ、ウクライナに侵攻すれば「深刻な結果をもたらす経済制裁を科す」と警告した

フランス大統領府の声明によると、マクロン大統領は10日にウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領と電話会談を行い、「独仏はウクライナの主権を保護するために行動する」と約束したという。

ショルツ首相とマクロン大統領は、コロナウイルスや経済回復に向けた両国および欧州の問題などについても協議した。来年4月に大統領選挙を控えているマクロン大統領は、国の成長と雇用の拡大を優先事項のひとつに掲げている。

ショルツ首相は記者団に、「マクロン大統領と私はコロナ禍における様々な問題を解決するためには何が必要かを話し合いました」と述べた。「EUのパンデミック回復基金(7,500億ユーロ:約100兆円)はその象徴であり、私たちは目の前の課題を解決できると確信しています」

社会民主党のショルツ氏は今週、アンゲラ・メルケル前首相から政権を引き継ぎ、統一ドイツ第9代首相に就任した。

ショルツ政権は中道左派の社会民主党、環境保護派の緑の党、中道右派の自由民主党で構成されている。緑の党の共同代表であるアンナレーナ・ベアボック氏は外相、ロベルト・ハーベック氏は副首相。自由民主党党首のクリスティアン・リントナー氏は財務省に就任した。

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