◎仏国民議会選の第1回投票は6月30日に行われ、極右「国民連合(RN)」が過半数を獲得する可能性が高まった。
ドイツのショルツ(Olaf Scholz)首相がフランス国民議会(下院、定数577)選挙における極右政党の躍進に深刻な懸念を表明している。
ドイツ通信社(dpa)によると、ショルツ氏は今週初め、苦境に立たされているマクロン(Emmanuel Macron)仏大統領と毎日のようにメールをやり取りしていると明らかにした。
仏国民議会選の第1回投票は6月30日に行われ、極右「国民連合(RN)」が過半数を獲得する可能性が高まった。第2回投票は7月7日に行われる。
dpaによると、ショルツ氏は首都ベルリンで5日に行われた与党・社会民主党の会合で、「私はマクロン大統領と憂鬱な状況について何度も話し合っている」と述べたという。
またショルツ氏は会合の中で、「私が愛し、感謝しているフランスが...最も大切な同盟国のフランスが、右翼ポピュリスト率いる政党に勝利することを心から願っている」と感情的に語った。
ショルツ氏の懸念は現実になる可能性が高い。
第1回投票で過半数を獲得した候補は少なく、7日の決選投票で勝者が決まる。
フランスメディアの世論調査によると、ルペン(Marine Le Pen)議員率いるRNは左派系4党から成る連合「人民戦線(緑の党、社会党、共産党、不屈のフランス)」を抑え、過半数を獲得する可能性が高い。
一部の専門家はこれが現実になれば、ドイツとフランスの関係は大幅に悪化し、EU全体に影響を及ぼす恐れがあると警告している。
第二次世界大戦で対峙した両国は現在、EUのリーダー国であり、ロシアによるウクライナ侵攻を含む世界規模の問題に協力して対処してきた。
ドイツでも先月の欧州議会選で極右「ドイツのための選択肢(AfD)」が躍進している。
イタリア、オランダ、スウェーデンなど、EUのいくつかの国でも右傾化が進んでいる。
有権者はインフレ、移民・難民問題、ロシア・ウクライナ戦争などで民族主義的な解決策を約束する極右に投票した。