◎来年2月の議会選でAfDが政権を握る可能性は極めて低い。他政党はAfDとの連立を否定している。
ドイツの極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が7日、ワイデル(Alice Weidel)党首を次期首相候補に指名した。
来年2月の議会選でAfDが政権を握る可能性は極めて低い。他政党はAfDとの連立を否定している。
AfDは2013年に発足した極右政党で、過去の党首は過激な政策を掲げ、情報機関の監視対象になっている。2014~15年のシリア難民危機時には移民に対する批判を利用して支持を集め、2017年に連邦議会に進出した。
最新の世論調査によると、AfDの支持率は18~19%で推移し、中道右派の最大野党・キリスト教民主同盟(CDU)に次ぐ2位につけている。
AfDが独自の首相候補を擁立したのは今回が初めてだ。
ワイデル氏は首都ベルリンの総会で「我々はドイツを再び前進させたい。ドイツを再び前進させ、世界のトップに返り咲きたい」と語った。
またワイデル氏は低迷するドイツ経済を再び軌道に乗せ、気候変動に優しい再生可能エネルギー政策をひっくり返し、不法移民を厳しく罰すると誓った。
極右組織は昨年11月、AfDなどの関係者を招いて会合を開催。市民権を得た移民を含む数百万人を強制送還する方法などについて議論した。
ユダヤ人迫害を彷彿とさせるこの会合は国民に衝撃を与え、反AfD運動に発展。AfDは一時支持率を落としたものの、今年に入ると勢いを取り戻し、東部テューリンゲン州の議会選では第1党に躍進した。
ワイデル氏は総会の中で、不法移民を「諸悪の根源」と呼んだ。