◎ショルツ首相率いる連立政権は移民対策で野党の批判を浴び、支持率を落としている。
ドイツ政府は9日、国内すべての国境検問所の警備を強化すると発表した。
フェーザー(Nancy Faeser)内務・国家相は記者会見で、「政府は国境警備を強化することで国内の治安を改善し、不法入国を試みる移民を厳しく取り締まっている」と述べた。
それによると、フランス、ルクセンブルク、オランダ、ベルギー、デンマークとの陸路国境に6ヶ月間の国境管理を設けるようEUに通達したという。来週9月16日から開始される予定だ。
これにより、すべてのEU市民がドイツへの入国時、国境警備隊の検査を受けることになる。
ポーランド、チェコ、オーストリア、スイスとの陸路国境ではすでに導入されている。
フェーザー氏は「新しい欧州亡命システムが確立され、EU国境が強力に保護されるまでは、国境管理を徹底しなければならない」と強調した。
またフェーザーは「昨年10月以来、国境を越えようとした不法移民3万人以上の入国を拒否している」と明らかにした。
さらに、「この措置は不法移民の流入を防ぎ、イスラム主義者によるテロや深刻な犯罪から市民を守るためのものであり、政府はこのような事態から国民を保護するために、できる限りの措置を講じている」とした。
ショルツ(Olaf Scholz)首相率いる連立政権は移民対策で野党の批判を浴び、支持率を落としている。
西部ゾーリンゲンの野外イベントで先月発生した殺傷事件では3人が死亡、8人が負傷。容疑者の男はシリア国籍で、イスラム国(ISIS)に忠誠を誓い、不特定多数を狙うつもりでイベント会場に足を運んだと供述している。
移民排斥を訴える極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」は今月初め、東部2州の州議会選で議席を大きく伸ばした。