◎一部のEU加盟国は欧州最大の工業国であるドイツが補助金でインフレに対処することに懸念を表明している。
ドイツの連邦政府と州政府は2日、エネルギー価格の高騰などに対処する最大2000億ユーロ(約29兆円)の救済計画に合意した。
ドイツ通信社(dpa)によると、ショルツ(Olaf Scholz)首相と16州の州首相はガス料金の高騰に対処する計画で合意したという。この計画は先月行われた専門家会合の意見を反映している。
一部のEU加盟国は欧州最大の工業国であるドイツが補助金でインフレに対処することに懸念を表明している。
一部の専門家も近隣諸国の物価を押し上げる可能性があると懸念している。
しかし、ショルツ氏はこの計画を擁護し、「同盟国の支援政策とほぼ同じ規模」と反論した。
ショルツ政権はガス料金の一部を負担することで合意し、今年3月から2024年4月まで全家庭の料金の一部を補助する方針を固めた。(過去分は遡って精算する)
一方、16州の首相はこの補助を今年1月まで遡って国民に提供するよう働きかけている。
企業向けのガス料金支援策は今年1月に導入された。
さらに、家庭と企業の電気料金に上限を設ける通称「電気料金ブレーキ」は来年1月1日に導入される。この財源の一部はエネルギーコストの高騰で儲けた発電事業者の内部留保としている。
ドイツ政府関係者は補助金をウクライナ危機以前のガス料金に適用することを擁護し、「多くの人に省エネを促すことができる」と主張している。
ショルツ氏は2日の閣議で、「この計画を実行してもエネルギー価格はロシアの侵攻以前のレベルには戻らないだろうが、市民の負担を軽減することはできる」と述べた。
上下両院はこの計画に必要な国債の発行をすでに承認している。