▽ワイデル党首は容疑者を「イスラム主義者」と呼び、「ドイツ国民がテロの標的になっている」と非難した。
2024年12月23日/ドイツ、中部ザクセン・アンハルト州マクデブルク、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」のワイデル党首(Getty Images/AFP通信)

ドイツの極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が23日、クリスマス市に車が突っ込み200人以上が死傷したザクセン・アンハルト州マクデブルクの事件現場近くで追悼集会を開き、移民を追放すると誓った。

この事件は20日の午後7時過ぎに発生。サウジアラビア国籍の男(50歳)が運転する車がクリスマス市の会場に突っ込み、子供を含む5人が死亡、200人が重軽傷を負った。

ワイデル(Alice Weidel)党首は容疑者を「イスラム主義者」と呼び、「ドイツ国民がテロの標的になっている」と非難した。

同州選出のAfD議員は「マクデブルクにテロがやってきた」と述べ、ショルツ政権の移民政策がこの破滅的なテロを招いたと主張した。

ワイデル氏は「国境を封鎖しなければならない。ドイツは世界中の狂人、イスラム主義者をこの国から排除する」と強調した。

群衆が反移民ヘイトを連呼する中、ワイデル氏は「国民が安心して暮らせる国を作る」と誓った。「国外追放!国外追放!国外追放!」

容疑者は5件の殺人や205件の殺人未遂など、多くの罪に問われている。ドイツ通信社(dpa)によると、容疑者は2006年からドイツに住んでおり、以前からソーシャルメディアに反移民、反イスラムの投稿をしていたという。

動機はまだ明らかになっていないが、容疑者はイスラム教を批判する活動を行い、中央政府のサウジアラビア移民・難民の扱いに不満を持っていた可能性があるという。

また容疑者は欧州が「イスラム化」するという極右陰謀論を声高に支持していたとされる。

ワイデル氏は容疑者が反イスラム主義者という情報があるにもかかわらず、容疑者を「イスラム主義者」と呼んだ。

ショルツ(Olaf Scholz)首相率いる与党・社会民主党とメルケル前政権の最大野党・キリスト教民主同盟(CDU)は移民を積極的に受け入れてきた。

AfDは2013年に発足した極右政党で、過去の党首は過激な政策を掲げ、情報機関の監視対象になっている。2014~15年のシリア難民危機時には移民に対する批判を利用して支持を集め、2017年に連邦議会に進出した。

ドイツでは来年2月23日に議会選が行われる予定だ。最新の世論調査によると、AfDの支持率は18~21%で推移し、中道右派の最大野党・キリスト教民主同盟(CDU)に次ぐ2位につけている。

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