◎この変異株はアフリカ中央部・コンゴ民主共和国で初めて検出された。
ドイツの国立ロベルト・コッホ研究所は22日、国内で初めてM痘(エムポックス)の変異株に感染した患者が確認されたと明らかにした。
それによると、この患者は海外から帰国し、その後、感染が明らかになったという。どこで治療を受けているかは明らかにしていない。
この変異株はアフリカ中央部・コンゴ民主共和国で初めて検出された。専門家によると、従来の株より感染力が強いものの、症状に大きな変化はみられないという。
M痘は中央・西アフリカでよくみられる感染症のひとつ。1970年にコンゴ民主共和国で初めて検出された。
重症化リスクは低く、感染者の大半は数週間で回復する。
死亡率は地域の医療体制によって異なるが、概ね1~3%ほど。潜伏期間は7~21日で、ほとんどの患者が10~14日で発症する。空気感染を起こした事例は確認されていない。
ロベルト・コッホ研究所は声明で、「状況を注意深く監視し、必要であれば勧告などを行う」と述べた。
この変異株はアフリカ大陸以外では8月中旬にスウェーデンで確認された。タイでも患者が報告されている。
世界保健機関(WHO)は8月、コンゴを含むアフリカ中央部と西部でM痘感染者が急増していることを受け、公衆衛生上の緊急事態を宣言した。
これまでのところ、症例の大半がコンゴで報告されている。
アフリカ疾病予防管理センター(CDC)によると、アフリカ55カ国中18カ国で患者が確認され、今年の世界の感染者数は約4万2000人、死者は約1100人となっている。