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ドイツ政府、2026経済成長見通しを1.0%に下方修正

これは2025年10月時点の予想1.3%から引き下げられた数値で、2027年の成長見通しも1.4%から1.3%へと切り下げた。
ドイツ、首都ベルリン(Getty Images)

ドイツ政府は28日、2026年の経済成長率見通しを下方修正し、国内総生産(GDP)が前年から約1.0%増加すると予測した。これは2025年10月時点の予想1.3%から引き下げられた数値で、2027年の成長見通しも1.4%から1.3%へと切り下げた。ドイツ経済は2年連続の縮小を経て2025年に0.2%の僅かな成長に転じたものの、景気回復の勢いが当初見込まれていたよりも弱いことを反映した措置である。

ドイツは欧州最大の経済大国であり、輸出主導型の産業構造を持つ。自動車や機械などの高付加価値製品は長年にわたり世界市場で強い競争力を示してきたが、中国企業との競争激化やエネルギーコストの高止まり、国際的な貿易摩擦などが成長の重荷となっている。こうした外部環境の不透明さは景気判断に影響を与え、政策効果が十分に現れるまでに時間を要しているとの見方がある。

メルツ連立政権は2025年5月に発足し、経済再活性化を最優先課題に掲げた。同政権は投資を促進するための大規模な施策を打ち出し、老朽化したインフラ整備や技術革新の支援を目的とした総額5000億ユーロ規模の基金を設立した。また、重工業向けのエネルギー価格補助金や規制緩和、遅れが指摘されるデジタル化推進の加速など、多角的な政策を展開している。

しかし、首相府は記者会見で、「財政・経済政策の効果が予想ほど迅速かつ大規模には現れていない」という理由から、慎重な見通しを示した。一方で、最近の経済指標は回復の兆しを示しており、明確な回復基調が見えてきたとも述べた。こうした見解は、長引く構造的課題と緩やかな景気改善が並存する現状を反映している。

ドイツ経済が直面する課題の一つは、国際的な貿易環境の変化である。米国による関税措置や貿易上の圧力、世界的な供給網の混乱は、輸出依存度の高いドイツの企業にとって逆風となっている。また、ロシアによるウクライナ侵攻後の高騰したエネルギー価格も企業の生産コストを押し上げている。これらの外的要因は景気回復の足かせとなっている。

国内では大規模な公共投資が進められているものの、実際の支出は当初計画よりも遅れているとの指摘もある。専門家の中には、構造改革や行政手続きの簡素化が景気刺激の鍵になるとの意見も強まっている。さらなる成長持続には企業投資の活性化や労働市場の柔軟性向上など、長期的な政策対応が求められている。

ドイツ政府は引き続き経済成長の底上げを目指すが、2026年の見通しが示すように、回復の勢いは依然として限定的だ。今後の成長ペースに対する市場の注目は高く、政策効果がどの程度迅速に実体経済へ波及するかが焦点となる。

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