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ドイツ、デートレイプドラッグを「武器」に分類へ、刑法改正急ぐ

デートレイプドラッグは相手の同意を得ない性的行為を目的として悪用される薬物の総称で、GHB、ロヒプノール、ケタミンがよく知られている。
デートレイプドラッグのイメージ(Getty Images)

ドイツ政府は21日、家庭内暴力や性的暴行の被害者を保護し、正義を追求する取り組みの一環として、刑法を改正してデートレイプドラッグの使用を「武器の使用」と同様に扱う計画であると明らかにした。

ドブリント内相は記者会見で、「犯罪で広く使用されるようになったデートレイプドラッグを武器のひとつに分類する予定だ」と語った。

内務省によると、昨年の性犯罪に巻き込まれた女性・少女は約5万4000人。23年比で2.1%増となり、過去最多を更新した。

そのうち約36%がレイプや性的暴行の被害者であった。

議会は先月、デートレイプドラッグ使用罪の刑罰を懲役刑5年以下とする刑法改正案の審議を開始した。

デートレイプドラッグは相手の同意を得ない性的行為を目的として悪用される薬物の総称で、GHB、ロヒプノール、ケタミンがよく知られている。

これらは無味無臭の場合が多く、飲料に混ぜられると気づきにくい。摂取すると強い眠気、めまい、記憶障害、判断力の低下などが起こり、抵抗や記憶の保持が困難になる点が悪用の背景にある。

使用自体が重大な犯罪行為であり、被害防止のためには、開封済みの飲み物を放置しない、信頼できない状況での飲食を避ける、体調に急な異変を感じたら周囲に助けを求めるなどの対策が重要だ。

また、周囲の人が異常に気づいた場合は速やかに安全確保と医療機関の受診を促し、必要に応じて警察へ連絡することが求められる。

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