◎11月24日の新規陽性者数は66,884件、死亡者は335人、直近1週間の陽性者は約55,000件、累計死亡者はまもなく10万人に達する。
11月24日、ドイツの新首相に就任するオラフ・ショルツ副首相兼財務相はコロナウイルスの感染爆発を抑え込む新たな計画を発表した。
9月の連邦議会選挙でアンゲラ・メルケル首相のキリスト教民主同盟(CDU)を破った社会民主党(SPD)は24日、緑の党と自由民主党との連立に向けた交渉の完了を宣言し、16年続いたメルケル政権に終止符を打った。
ショルツ財務相は12月6日~9日の間に予定されている連邦議会投票を経て、新首相に就任する。
<2021ドイツ連邦議会選挙 定数730>
・SPD 206議席(25.7%)連
・CDU 196議席(24.1%)
・緑の党 118議席(14.8%)連
・自由民主党 92議席(10.7%)連
・ドイツのための選択肢 83議席(10.3%)
・左翼党 39議席(4.9%)
・その他 1議席
ショルツ副首相は共同記者会見の中で、「連立政権は25日に新たなコロナウイルス専門家委員会を創設し、科学的アドバイスに基づく感染予防対策を国民に提供する」と明らかにした。
ショルツ副首相は記者団に、「コロナは勢いを増している」と述べ、感染予防対策とワクチンの重要性をあらためて国民に呼びかけた。「新規陽性者は記録的なレベルに達しています...」
連邦政府と州政府は総選挙後の移行期間中に新たな対策を講じなかったと厳しく非難されている。医療専門家は数カ月前から感染再拡大の可能性を指摘していたが、州政府は予防対策の緩和を推し進めてきた。
ロベルト・コッホ研究所によると、24日の新規陽性者数は66,884件、死亡者は335人、直近1週間の陽性者は約55,000件、累計死亡者はまもなく10万人に達する。
ドイツのワクチン完全接種率は23日時点でEU平均とほぼ同じ約68%、政府と医療当局は75%まで引き上げることを目標にしている。
一部の政治家は、特定の職業または集団を対象とするワクチン義務化を検討する時が来たと示唆している。隣国のオーストリア政府は先週、ワクチン義務化に向けた第一歩を踏み出した。
ショルツ副首相は選挙期間中、ワクチンの義務化を支持するかという質問を拒否した。緑の党と自由民主党はコロナ対策の強化を求めている。
ショルツ副首相は24日の会見で、「新政府は介護施設の職員にワクチン接種を要求する」と述べたが、詳細は明らかにしなかった。
メルケル首相は記者会見に参加しなかったが、ドイツ通信社によると、政府の報道官は「現在の感染予防対策に異議を唱える医療専門家が複数いる」と述べたという。
ロベルト・コッホ研究所は以前、「ドイツの集中治療室(IOC)数はイタリアのほぼ4倍で、死亡者の抑制に大きく貢献した」と述べていた。しかし、今年1月以降、医療機関は人員不足の影響でICU病床数を減らさざるを得なくなり、当局によると約4,000床が削減されたという。
医師や看護師の多くが肉体的または精神的な理由で職場を離れたと伝えられている。
ドイツ通信社によると、緑の党の共同リーダーであるロベルト・ハーベック党首は副首相、アンナレーナ・ベアボック党首は外相に就任する予定だという。自由民主党のクリスティアン・リントナー党首は財務相に就任する予定。
<新連立政権の主要政策>
・2045年までにカーボンニュートラルを達成する。
・2030年までに石炭火力の廃止を「目指す」。
・最低賃金(時給)12ユーロ(約1,500円)を目指す。
・選挙権を18歳から16歳に引き下げる。(連邦議会の3分の2以上の賛成が必要)
・5年以内に移民の市民権申請と二重国籍を認める。
・コロナウイルス専門家委員会を創設。
・医療従事者に10億ユーロ(約1,300億円)を投資する。
・国債の発行上限を再設定する。