ドイツ当局、ロシアへの違法輸出容疑で5人を逮捕、捜査継続中
今回の摘発はロシアによるウクライナ侵攻開始から約4年が経過するなかで、制裁回避を狙う違法な輸出活動を摘発する国際的な取り組みの一環と位置づけられている。
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ドイツ当局は2日、EUにより対ロシア制裁に違反し、ロシアの防衛関連企業向けに物資を不正輸出した疑いで5人の男を逮捕したと発表した。連邦検察庁によると、5人は犯罪組織に所属し、対外貿易・決済法に違反した疑いがあるとしている。拘束は北部リューベックと周辺地区で実施され、さらに5人の容疑者が現在も逃走中であると報告された。
逮捕された5人はいずれもドイツ国籍で、そのうち2人はロシアとの二重国籍、1人はウクライナとの二重国籍だという。検察によると、リューベックに拠点を置く貿易会社の経営者であるドイツ・ロシア二重国籍の男がリーダー格とみられる。同社と容疑者たちは2022年のウクライナ侵攻開始以降、ロシアの産業向けに物資を調達し、ロシアへ輸出していた疑いがある。
当局はこのネットワークがリューベックの取引会社のほか、実体のない複数のダミー会社やEU内外の架空顧客、さらにはリーダーの男が関与するロシア企業を用いて取引を隠蔽し、制裁を回避したと指摘している。これらの手法により少なくとも24のロシア防衛企業が受取先になったとみられ、関与した輸送件数は約1万6000件、取引総額は少なくとも3000万ユーロ(約55億円)に上るとされる。輸出された物品の内容は明らかになっていない。
連邦検察庁は声明で、ロシア国家機関がこの調達ネットワークに関与していた可能性を示唆した。EUは2022年2月の全面侵攻開始以来、ロシアの軍事能力を削ぐため幅広い制裁措置を実施し、その一環として軍事技術や部品の輸出禁止を含む多数の規制を導入している。ドイツ当局は今回の摘発を通じ、こうした制裁の厳格な執行を示す狙いがあるとみられる。
逮捕に伴い、捜査当局はリューベックだけでなく、フランクフルト、ニュルンベルクなど他の複数都市でも家宅捜索を実施し、証拠の押収を進めた。捜査は関税捜査局と連邦情報局(BND)が協力して行っているという。容疑者たちは今後、連邦裁判所に出廷し、勾留や正式な起訴につながる審査を受ける見込みだ。
当局は逃走中の5人についても引き続き追跡を続ける方針で、欧州内外の捜査機関との連携も強化している。今回の摘発はロシアによるウクライナ侵攻開始から約4年が経過するなかで、制裁回避を狙う違法な輸出活動を摘発する国際的な取り組みの一環と位置づけられている。
