◎ドイツ海軍の副提督「プーチン大統領は尊敬に値する」
1月22日、ドイツ海軍の副提督はウクライナとロシアに関する発言で非難の嵐に直面したことを受け、辞任した。
ケイ・アヒム・シェーンバッハ副提督は21日にインドで開催されたイベントの中で、「ウクライナが2014年に併合されたクリミア半島を取り戻すことはない」と述べた。
またシェーンバッハ副提督は「西側はプーチン大統領を平等に扱う必要がある」と同盟国に促し、「プーチン大統領は尊敬に値する」と述べた。
ウクライナの外務省は一連の発言を却下し、「断固として受け入れられない」とドイツに抗議した。
ソーシャルメディアで拡散した映像はウクライナで怒りを引き起こし、多くのユーザーがドイツ大使に抗議すると投稿した。
ロシアは2014年にウクライナ南東部のクリミア半島を併合し、クリミアを「自国の領土」と宣言したが、国際社会はこれを認めていない。
その後、クリミアの北東部に位置するドネツクとルハンシクの分離主義者はウクライナからの独立を宣言した。ロシアは「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」の独立を承認したが、西側とウクライナは分離主義者をテロリストと見なしている。
米国や英国を含む西側の主要国はウクライナに兵器を提供しているが、ドイツはウクライナ軍の支援要求を拒否している。
ドイツは欧州のエネルギー供給持に欠かせないロシアと比較的穏やかな関係を維持しており、まもなく運用を開始する予定の天然ガスパイプライン「ノルドストリーム2」はウクライナに影響を与える可能性があると懸念されている。
ドイツ通信社によると、シェーンバッハ副提督は自分の「軽率な発言」がドイツと海軍に深刻な影響を与えることを避けるために辞任すると上官に申し出たという。
海軍は22日遅くの声明で、「クリスティーネ・ランブレヒト国防相はシェーンバッハ氏の辞任を受け入れた」と述べた。
ロシアはウクライナ東部に10万人以上の兵士を配置し、米国とNATO(北大西洋条約機構)に提示した安全保障条約草案の文書による回答を待っている。
ウクライナ政府は来るべき時に備え準備を進めており、22日には米国の兵器約90トンがウクライナの基地に到着した。
一方、ドイツは兵器ではなく医療でウクライナをバックアップすると約束している。ウォール・ストリート・ジャーナルによると、エストニアはドイツ製の兵器をウクライナに提供しようとしたが、ドイツ政府に阻止されたという。
ランブレヒト国防相は地元メディアのインタビューの中で、「ドイツはウクライナに医療機器を提供し、重傷を負ったウクライナ兵はドイツ軍の野戦病院で治療を受けている」と述べたが、ウクライナはドイツの対応を却下し、「ドイツ政府は西側の統一を弱体化させた」と非難した。