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ドイツ政府「パレスチナ国家の承認は逆効果」ガザ紛争激化、飢饉も

ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は22日午後の時点で6万2064人、負傷者は15万7440人となっている。
2025年8月22日/パレスチナ自治区、ガザ地区南部の食料配給所(AP通信)

ドイツ政府は22日、パレスチナ国家の承認を計画していないと表明した。

メルツ(Friedrich Merz)首相の報道官は記者会見で、「政府は現在、パレスチナ国家の承認を計画しておらず、その理由は、そのような措置がイスラエルとの交渉による二国家解決案の実現を妨げる可能性があるためだ」と語った。

また報道官は「交渉による二国家解決は依然として政府の目標である」と強調。「パレスチナ国家の承認はそのプロセスの最終段階で下すものであり、現在の交渉レベルでそのような決定を下すことはむしろ逆効果と言える」と述べた。

フランス、イギリス、カナダ、オーストラリアを含む西側諸国は最近、異なる条件下でパレスチナ国家を承認する意向を表明した。

国連加盟193カ国のうち150カ国近くがパレスチナ国家を承認済み。その大半が数十年前に承認している。

しかし、どの国も米国の支援を受けるイスラエルによるガザ侵攻を止めることができずにいる。

過激なイスラム主義者は国連を「役立たずのゴミ」と呼び、アラブ諸国に対し、イスラエルに総攻撃を仕掛け、パレスチナ・ガザ地区を解放するよう呼びかけている。

国連機関、政府、援助団体などが参加する「総合的食料安全保障レベル分類(IPC)」は22日、ガザ北部ガザ市で飢饉が発生していると宣言した。

IPCがガザ地区で飢饉が発生していると宣言したのは初めて。「人為的に飢饉が引き起こされている」と指摘し、即時停戦と国境開放を呼びかけた。

IPCはガザ市の飢饉の段階を「フェーズ5」と判断。フェーズ3は危機レベルの飢餓と定義され、フェーズ4は緊急事態、フェーズ5は大災害または飢饉とみなされる。

ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は22日午後の時点で6万2064人、負傷者は15万7440人となっている。

多くのボランティアが行方不明者を捜索している。建物の倒壊に巻き込まれるなどして行方不明になった市民は1万~1万4000人と推定されている。

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