◎連立3党(社会民主党、緑の党、自由民主党)の支持率は10%台まで低下。今回の選挙も大方の予想通り、厳しい戦いを余儀なくされた。
ドイツの極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が1日、東部2州の州議会選(第2回投票)で議席数を大きく伸ばすことが確実となった。
東部テューリンゲン州におけるAfDの得票率は32.8%。最大野党・キリスト教民主同盟(CDU)の23.6%を大きく引き離した。開票作業はまだ終わっていない。
公共放送ARDなどの予想値によると、歴史的に保守政党が強い東部ザクセン州(第2回投票)におけるAfDの得票率は30.6~30.7%。CDUの31.9%には及びない見通し。
AfDはテューリンゲン州で大幅に、ザクセン州では小幅に議席を増やすとみられる。
ショルツ(Olaf Scholz)首相の与党・社会民主党と連立を組む緑の党は声明で、「東部2州における議会選の結果に深い懸念と恐怖を抱いている」と表明した。
連立3党(社会民主党、緑の党、自由民主党)の支持率は10%台まで低下。今回の選挙も大方の予想通り、厳しい戦いを余儀なくされた。
他の政党はAfDに政権を握らせないため、CDUを含む政党との連携を模索しているようだ。
今年初めに発足した左派新党「ザーラ・ワーゲンクネヒト同盟(BSW)」はテューリンゲン州で15.8%。ザクセン州で12%近くを獲得する見通しである。
AfDの共同代表ワイデル(Alice Weidel)氏はARDのインタビューで、「与党は歴史的な敗北を受け入れるべきだ」と語った。
CDUの書記長は声明で、「両州の有権者は我々がAfDと連立を組まないことを知っている」と述べ、自由民主党などとの連携に含みを持たせた。
AfDは2013年に発足した極右政党で、過去の党首は過激な政策を掲げ、情報機関の監視対象になっている。2014~15年のシリア難民危機時には移民に対する批判を利用して支持を集め、2017年に連邦議会に進出した。