◎ヘッケ州議会議員は2021年5月に行われた演説の最後に「すべてはドイツのために」と述べたとされる。
極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」の有力議員が2021年の演説でナチスのスローガンを使用した疑いで裁判を受ける予定だ。現地メディアが9日に報じた。
それによると、テューリンゲン州のAfD党首であるヘッケ(Björn Höcke)議員は4月に裁判を受ける予定。同氏は9月に予定されている州議会選を率いる。
ヘッケ氏は2021年5月に行われた演説の最後に「すべてはドイツのために」と述べたとされる。
このスローガンはナチスの兵士がヒトラー(Adolf Hitler)を称える際に使用したもののひとつ。
ドイツ通信社(dpa)によると、検察はヘッケ氏がナチスのスローガンであることを認識したうえで、この言葉を使ったと主張している。
審理は計4回予定されているようだ。
情報機関はテューリンゲン州のAfD支部を特に危険な右翼過激派とみなしている。
最新の世論調査によると、AfDの支持率は2021年の連邦議会選時の10.3%から23%に急上昇。1位の最大野党・キリスト教民主同盟(CDU)に肉薄している。
AfDの候補は昨夏、ナチス以来初めて、市長選と地区議会選で勝利を収めた。バイエルン州とヘッセン州の選挙でも議席を大きく伸ばし、今年9月に予定されているザクセン州、テューリンゲン州、ブランデンブルク州の議会選では第1党に躍進する可能性がある。