ドイツ裁判所、シリア人医師に戦争犯罪で終身刑

地裁の判事は罪の重大性を強調、15年後の仮釈放の可能性を排除した。
2025年6月16日/ドイツ、フランクフルトの裁判所、出廷する被告(ドイツ通信社/AP通信)

ドイツ・フランクフルトの地方裁判所は16日、40歳のシリア人医師に対し、2011~12年にかけて、内戦下のシリアで2人を殺害し、9人を拷問したとして、戦争犯罪で終身刑を言い渡した。

地裁の判事は罪の重大性を強調、15年後の仮釈放の可能性を排除した。

ドイツで終身刑が科せられた場合、通常は15年後に仮釈放を検討するが、この被告に関してはその可能性が除外された。

ドイツ通信社(dpa)によると、被告は2011年に始まったシリア内戦の初期段階において、アサド前政権の方針に基づき、病院内で2人を殺害し、9人に拷問を加えたという。

判事は被告がサディスティックな傾向を有し、自らの意思で積極的に拷問を加えたと指摘した。

被告は移民としてドイツに入国。10年間居住し、複数のクリニックで整形外科医として働いていた。

警察は拷問を受けた被害者の告発に基づき、2020年夏に被告を逮捕した。

dpaによると、告発者は被告に何度も殴られ、蹴られ、傷口や体の一部を焼かれるなど、激しい拷問を受けたと証言したという。

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