ドイツ極右政党AfD、米ニューヨークで共和党との連携強化呼びかけ
この晩餐会は黒服着用のフォーマルな催しで、MAGA(メイク・アメリカ・グレート・アゲイン)運動に連なる米共和党支持者や国際的な極右政治家の交流の場として知られている。
」の党員ら(ロイター通信).jpg)
ドイツの極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が13日、米ニューヨーク市で開催された「ニューヨーク・ヤング・リパブリカン・クラブ(NYYRC)」の晩餐会で、米独のナショナリスト政党の連携を呼び掛けた。
AfDのフロンマイアー(Markus Frohnmaier)議員は会場で、米国とドイツの「愛国者」の同盟が「自由主義エリートの悪夢であり、自由世界の希望である」と述べ、両国のナショナリスト勢力が連携すべきだとの考えを示した。
この晩餐会は黒服着用のフォーマルな催しで、MAGA(メイク・アメリカ・グレート・アゲイン)運動に連なる米共和党支持者や国際的な極右政治家の交流の場として知られている。
フロンマイアー氏のほかにも、AfD所属の州議会・連邦議会・欧州議会議員ら約20人が出席した。トランプ(Donald Trump)米大統領自も過去に登壇したことがあり、米国の極右勢力との結び付きが強い行事として注目されている。
フロンマイアー氏は講演で、米国が先ごろ発表した新たな国家安全保障戦略を引き合いに出し、欧州の「愛国的政党」を称賛する同戦略を好意的に受け止める姿勢を示した。この戦略文書は欧州での言論の自由や反対意見の抑圧を批判し、欧州の現状への抵抗を育成することに重点を置く内容となっており、極右勢力にとって追い風になっているとの指摘がある。
フロンマイアー氏は晩餐管前、国務省で次官補とも面会しており、米側と極右勢力の接点が深化していることをうかがわせた。
一方、この動きに対して欧州の政治指導者や主要政党からは懸念の声が上がっている。多くの欧州指導者はトランプ政権下での極右政党の支持強化がこれら政党の正統性を高め、政治的影響力を拡大するリスクを招くと警戒している。
AfDはドイツ国内で複数の世論調査で支持率トップに立つが、国内の情報機関から右派過激主義組織に分類されている。主流政党は公式に協力を拒否しており、政治的孤立が続いている。
ドイツのメルツ(Friedrich Merz)首相(キリスト教民主同盟)は同日、欧州と米国の関係が根本的に変容しつつあることを認めつつも、欧州が米国に完全依存する時代は終わりつつあるとの見解を示した。欧州自身が安全保障や政治的独立性を強化する必要性を訴える声が高まっている。
フロンマイアー氏は来年2月にベルリンで開催予定の会議に米国の政治家や政府関係者を招待したいとの意向も表明しており、米独間の極右勢力ネットワーク形成を進める構えを見せている。この動きが今後、両国の政治的ダイナミズムや国際関係にどのような影響を及ぼすか、欧州内外で注目されている。
