クリスマス市への攻撃計画、男5人逮捕 ドイツ南部
ミュンヘンの検察当局と地元警察が共同声明で明らかにしたもので、容疑者らは過激なイスラム主義に基づく犯行を企てた疑いがあるとされる。
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ドイツ当局は13日、南部バイエルン州でクリスマスマーケットに対するテロ攻撃を計画した疑いで5人の男を逮捕したと発表した。
ミュンヘンの検察当局と地元警察が共同声明で明らかにしたもので、容疑者らは過激なイスラム主義に基づく犯行を企てた疑いがあるとされる。
逮捕されたのはエジプト国籍の56歳、シリア国籍の37歳、モロッコ国籍の22歳、28歳、30歳の計5人。いずれも12月12日にオーストリアの国境検問所で拘束された。
検察は男らが州内のクリスマスマーケットに車両を突入させ、多数の死傷者を出す計画を立てていた疑いがあると指摘している。
警察によると、5人は過激なイスラム主義に基づき、攻撃を計画したとされる。男らの身元や動機、計画の具体性について引き続き捜査を進めている。
捜査はまだ初期段階にあり、いつ、どこで攻撃が行われる予定だったのか、また具体的な準備状況については明らかにされていない。
バイエルン州政府は14日、関係機関の迅速な連携によって攻撃の実行前に容疑者を拘束できたと声明を出し、安全保障体制の有効性を強調した。
また政府は公安当局やテロ対策局などが協力し、短期間での摘発につながったと説明。引き続き全ての容疑者の関与の程度や背景について精査する必要があるとしている。
ドイツでは近年、クリスマスマーケットを狙った車両突入事件が複数発生しており、当局はこの種のイベントに対する警戒を強めている。2016年にはベルリン中心部のマーケットにトラックが突入し多数の死傷者が出たほか、昨年12月には中部マクデブルクのマーケットで車両を使った攻撃により、複数の死者が出る事件が起きている。こうした前例が背景にあり、地域社会や当局の警戒感が高まっていた。
捜査当局は逮捕された5人が具体的にどの程度攻撃の準備を進めていたか、外部とのつながりがあったかを含め、慎重に解明を進めるとしている。また、イスラム過激派との関係や計画への関与者の有無など、広範な分析が必要とされている。
今回の摘発は欧州におけるクリスマスシーズン前の重大なテロ対策上の成功例として位置づけられる可能性があるが、同時に脅威が依然として存在することを示している。
