◎26日に行われた選挙の集計はほぼ終了。与党・ジョージアの夢の得票率は54.8%となった。
ジョージアのズラビシュヴィリ(Salome Zurabishvili)大統領が27日、議会選(一院制、定数150)の結果を認めないと表明した。
選挙管理委員会によると、26日に行われた選挙の集計はほぼ終了。与党・ジョージアの夢の得票率は54.8%となった。
ズラビシュヴィリ氏は親欧米派の野党党首らと共に記者会見に臨み、今回の議会選を「ロシア選挙」と呼び、結果を受け入れないと言明した。
またズラビシュヴィリ氏は与党が有権者を買収し、票を盗んだと主張。国民に抗議デモを行うよう促した。
ズラビシュヴィリ氏は先週にも与党が有権者を買収したり、他の様々な方法で票を集め、選挙法を無視していると主張していた。
与党はこれを否定。ズラビシュヴィリ氏は「EUの奴隷」と呼んだ。
ジョージアはロシアによるウクライナ侵攻後、EUへの加盟を申請。しかし、EUはジョージアの夢が物議を醸す反スパイ法を法制化したことに対応し、加盟交渉を停止、財政支援の一部を凍結した。
米政府はこの法律を受け、ジョージア政府高官数十人を制裁リストに追加した。
これは外国から資金の20%以上を得ているメディアやNGOを「影響力のある団体・組織」に指定し、必要書類の提出を求めるものである。
さらにジョージアの夢は今月初め、LGBTQ+(性的少数者)の権利を侵害する「反LGBTQ法案」を成立させた。
ズラビシュヴィリ氏は記者団に対し、「この詐欺選挙はロシアの侵略、ロシアへの従属を認めるものであり、認めることはできない」と語った。
欧州理事会のミシェル(Charles Michel)常任議長も27日、ジョージア政府に対し、選挙の不正を速やかに、透明性をもって、独立的に調査するよう求めるとともに、与党に対し、EUに対する「確固たるコミットメント」を示すよう求めた。
ジョージアの夢のコバヒゼ(Irakli Kobakhidze)首相は27日、勝利を宣言したうえで、「偽情報による印象操作を含むいかなる試みも失敗に終わる運命にある」と警告した。
ジョージアとロシアの関係は2008年の南オセチア紛争で崩壊。ロシアはこの紛争で南オセチアとアブハジアの分離主義勢力を支援し、ジョージアを3分割した。
それ以来、ロシア軍の支援を受ける分離主義者がこの両地域を実効支配している。
両地域はジョージアからの独立を一方的に宣言。ロシアはこれを承認したが、国連は認めていない。
ジョージアの夢はロシア寄りの姿勢を示しながらも、EUとNATOへの加盟を目指すと主張している。