◎国会は今月中頃、物議を醸す外国エージェント法案を賛成多数で可決した。
ジョージアの大統領と首相が26日、独立記念日を祝う式典でお互いを激しく批判した。
現地メディアによると、首都トビリシの会場近くでは政府与党の通称「ロシア法」に反対する数千人規模の集会が開かれたという。
国会は今月中頃、物議を醸す外国エージェント法案を賛成多数で可決。これは外国から資金の20%以上を得ているメディアやNGOを「影響力のある団体・組織」に指定し、必要書類の提出を求めるものである。
親欧米派のズラビシュヴィリ(Salome Zurabishvili)大統領は18日に拒否権を発動したが、国会は過半数の賛成でこれを覆すことができる。
ズラビシュヴィリ氏は記念式典の演説で、「ロシアの脅威が立ちはだかる中、欧州との連携と和解こそが、ジョージアの独立と平和を守り、強化する真の道である。この道を妨害し、損なう者たちは、わが国の平和で安全な未来を踏みにじり、損ない、自由で民主的な世界の一員となる道を妨げている」と述べ、コバヒゼ(Irakli Kobakhidze)首相を暗に批判した。
同じ式典に出席したコバヒゼ氏は「大統領の裏切りを含む、存亡の危機と複数の裏切りにもかかわらず、この2年間、ジョージアの平和を維持できたのは、選挙で選ばれた政府とそれを支持する国民のおかげである」と応戦した。
夕方には法案に反対する数千人が市中心部の通りを練り歩き、与党・ジョージアの夢に法案を破り捨てるよう求めた。
このようなデモは数週間前から続き、機動隊と衝突する事態に発展したこともあった。
EUの対外政策部門はこの法律がジョージアのEU加盟交渉に悪影響を与える可能性があると警告している。
米国務省は23日、法案の起草に関与した一部の政府関係者に渡航制限を課すと発表。それを「ロシアの法律」と呼び、再考を強く促した。
ジョージアとロシアの関係は2008年の南オセチア紛争で崩壊。ロシアはこの紛争で南オセチアとアブハジアの分離主義勢力を支援し、ジョージアを3分割した。
それ以来、ロシア軍の支援を受ける分離主義者がこの両地域を実効支配している。
両地域はジョージアからの独立を一方的に宣言。ロシアはこれを承認したが、国連は認めていない。
政府はロシア寄りの姿勢を示しながらも、EUとNATOへの加盟を目指すと主張している。