◎デモ隊は与党「ジョージアの夢」がEU加盟交渉の中断を決めたことに憤慨し、国会周辺で抗議デモを続けている。
ジョージアの首都トビリシで8日、政府与党に抗議するデモが行われ、数万人が参加した。トビリシでのデモはこれで11日連続となった。
警察は国会議事堂周辺にバリケードを設置し、デモを抑制するため、武力行使を強めている。
機動隊は連日、放水砲や催涙ガスを使用してデモ隊を解散させている。
AP通信によると、中央大通りにバリケードを設置した市民と機動隊が衝突し、数十人が逮捕されたという。
7日夜のデモでは地元テレビ局のレポーターと同僚が覆面をした集団に殴られた。その様子を記録した映像はSNSで拡散した。警察はコメントを出していない。
殴られたレポーターはAPの取材に対し、「与党の支持者とみられる覆面をした男たちがデモ参加者に暴力を振るうところを撮影した際、押し倒され、地面に叩きつけられた」と語った。
レポーターの同僚は頭を負傷。カメラを奪われたという。
このテレビ局は与党「ジョージアの夢」が機動隊と支持者による暴力を容認していると非難したが、政府はこの主張を否定した。
デモ隊はジョージアの夢がEU加盟交渉の中断を決めたことに憤慨し、国会周辺で抗議デモを続けている。
ジョージアの夢は10月26日の議会選(一院制、定数150)で過半数を獲得。野党とズラビシュヴィリ(Salome Zurabishvili)大統領は政府がロシアの協力を得て票を操作したと主張し、議会をボイコットした。
与党がEU加盟交渉の中断を決めて以来、抗議デモは激しさを増し、一部の暴徒と機動隊が衝突する事態となっている。
8日のデモ行進でも警察に向かって花火を撃ちこんだ男性が機動隊に殴られ、連行された。
APによると、少なくとも10人以上のカメラマンや記者が暴動に巻き込まれ、そのうち何人かは意識不明の状態で入院しているという。
7日夜にはジョージアの夢の事務所に入ろうとしたデモ参加者2人が正体不明の覆面をした男たちに殴られ、軽傷を負った。
SNSで拡散した動画には覆面をした男たちが地面に倒れた男性を何度も蹴る様子が映っていた。