◎機動隊は国会前のゲートを突破しようとしたデモ隊に放水砲を叩き込み、数人を逮捕した。
ジョージア・首都トビリシの国会前で16日、政府与党が推進する「外国エージェント法案」に抗議するデモ隊と警察が衝突し、逮捕者が出た。
デモを主催する団体、野党、メディアはこれを「プーチン臭がする法律」「旧ソ連法」などと呼び、政府与党に破り捨てるよう求めている。
国会は法案審議を開始。数日中に採決に踏み切るとみられる。
政府与党は昨年、この法案の採決を目指したものの、街頭デモが激化したことを受け、断念した。
この法案は外国から資金の20%以上を得ているメディアやNGOを「影響力のある団体・組織」に指定し、必要書類の提出を求めるとしている。
政府与党は今月、この法案の内容の一部とタイトルを見直して国会に再提出。地元メディアによると、内容は昨年のものとほぼ同じだという。
機動隊は国会前のゲートを突破しようとしたデモ隊に放水砲を叩き込み、数人を逮捕したと伝えられている。
野党、専門家、ジャーナリストなどは同様の法律がロシアで導入され、反体制派メディアやNGOの弾圧に利用されていると非難。政府与党が撤回するまでデモを続けると誓っている。
親欧米派のズラビシュヴィリ(Salome Zurabishvili)大統領は先週、この法案が国会を通過した場合、拒否権を行使すると表明した。
ズラビシュヴィリ氏の任期は年内いっぱい。憲法改正により、大統領の選出方法が国会議員を含む選挙人団による間接選挙に変更されたため、ズラビシュヴィリ氏は直接選挙で選出された最後の大統領となる予定だ。
ジョージアとロシアの関係は2008年の南オセチア紛争で崩壊。ロシアはこの紛争で南オセチアとアブハジアの分離主義勢力を支援し、ジョージアを3分割した。
それ以来、ロシア軍の支援を受ける分離主義者がこの両地域を実効支配している。
両地域はジョージアからの独立を一方的に宣言。ロシアはこれを承認したが、国連は認めていない。
政府与党はEUとNATOへの加盟を目指す一方、ロシアとの関係も維持すると主張している。