◎与党と野党はそれぞれ異なる出口調査の数字を示し、勝利を高らかに宣言した。
ジョージアで26日、議会選(一院制、定数150)が行われた。
選挙管理委員会によると、開票率70%時点の得票率は与党・ジョージアの夢が53%、野党連合は44.1%となっている。
地元メディアが投票締め切り後に出した出口調査のデータには大きな差がある。
ロシア寄りの姿勢を示している与党と親欧米派の野党は互いに勝利を宣言した。
選管によると、投票率は速報値で58.94%。
与党と野党はそれぞれ異なる出口調査の数字を示し、勝利を高らかに宣言した。
与党寄りのメディアは「ジョージアの夢が快勝した」と伝えている。
反与党の2つのメディアは「野党連合が過半数を獲得する勢いだ」と報じた。
米国の調査会社エジソン・リサーチが野党寄りのテレビ局に依頼した出口調査によると、4つの野党連合の得票率は51.9%、与党は40.9%となっている。
ズラビシュヴィリ(Salome Zurabishvili)大統領は今週、政府与党が有権者を買収したり、他の様々な方法で票を集め、選挙法を無視していると主張した。
与党はこれを否定。ズラビシュヴィリ氏は「EUの奴隷」と呼んだ。
ジョージアはロシアによるウクライナ侵攻後、EUへの加盟を申請。しかし、EUはジョージアの夢が物議を醸す通称「ロシア法」を法制化したことに対応し、加盟交渉を停止、財政支援の一部を凍結した。
米政府はこの法律を受け、ジョージア政府高官数十人を制裁リストに追加した。
これは外国から資金の20%以上を得ているメディアやNGOを「影響力のある団体・組織」に指定し、必要書類の提出を求めるものである。
さらにジョージアの夢は今月初め、LGBTQ+(性的少数者)の権利を侵害する「反LGBTQ法案」を成立させた。
ジョージアとロシアの関係は2008年の南オセチア紛争で崩壊。ロシアはこの紛争で南オセチアとアブハジアの分離主義勢力を支援し、ジョージアを3分割した。
それ以来、ロシア軍の支援を受ける分離主義者がこの両地域を実効支配している。
両地域はジョージアからの独立を一方的に宣言。ロシアはこれを承認したが、国連は認めていない。
ジョージアの夢はロシア寄りの姿勢を示しながらも、EUとNATOへの加盟を目指すと主張している。