独ベルリンで親パレスチナ集会、数万人がガザ紛争の即時終結求める
パレスチナ問題におけるドイツとイスラエルの関係は、歴史的背景と現代の国際政治が複雑に絡み合っている。
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ドイツ・ベルリンで27日、ガザ紛争の終結とパレスチナ人への連帯を示す集会が行われ、数万人が政府与党とイスラエルに抗議した。
参加者は「パレスチナに自由を」などと叫び、紛争と人道危機の終焉を要求した。
地元警察によると、約5万人がデモ行進に参加。監視するため、約1800人の法執行官が配備された。
ドイツ通信社(dpa)は主催者の話しとして、「デモ隊はドイツによるイスラエルへの武器輸出停止と、EUによるイスラエルへの制裁も要求した」と伝えている。
メルツ(Friedrich Merz)首相は先月、「追って通知があるまで」ガザで使用される可能性のある軍事装備のイスラエルへの輸出を許可しないと表明した。ドイツはEUによる対イスラエル制裁に難色を示している。
パレスチナ問題におけるドイツとイスラエルの関係は、歴史的背景と現代の国際政治が複雑に絡み合っている。特にナチスによるホロコーストの歴史は、ドイツがイスラエルに対して特別な責任と関係を持つ根拠となっている。第二次世界大戦後、ドイツは国家としてユダヤ人に対する迫害を認め、1952年にはイスラエルとの間で賠償協定を締結した。以後、ドイツはイスラエルに対する財政支援や軍事支援を継続してきた。
そのため、ドイツの外交政策において「イスラエルの安全保障はドイツの国益である」という立場が一貫して取られている。例えば、イスラエルへの潜水艦供与や、国連におけるイスラエル擁護の姿勢などがその具体例である。ドイツ国内の政界でも、与野党を問わずイスラエル支持の姿勢は広く共有されており、批判的な立場を取ることは政治的リスクを伴う。
一方で、パレスチナ問題においては、ドイツは公式には「二国家解決」を支持している。つまり、イスラエルとパレスチナの双方が平和的に共存できるような国家体制の実現を目指している。しかし、現実にはイスラエル寄りの姿勢が強く、パレスチナ側からはドイツの中立性に疑問が呈されている。とくにガザ紛争の際には、ドイツ政府はイスラエルの「自衛権」を強調し、パレスチナ側の被害や人権問題への言及が相対的に少ない傾向がある。
また、ドイツ国内の反ユダヤ主義対策やイスラエル批判に対する敏感な反応も、この問題に影響を与えている。たとえば、イスラエルを批判する運動(BDS運動)に対しては、ドイツ議会が「反ユダヤ的」として非難する決議を採択している。こうした姿勢は、イスラエルとドイツの特別な関係を強化する一方で、パレスチナ支持者や人権団体からの批判を招いている。