◎オークション会場の周辺に集まったガボン人コミュニティはマスクの返還を求めたが、願いは届かなかった。
19世紀に中央アフリカのガボンで作られた先住民族のマスクがフランスでオークションにかけられ、420万ユーロ(約5.6億円)で落札された。
オークションは27日にフランス南部の都市モンペリエで行われ、ガボンのファング族が儀式で使用する木製のマスク「ンギル(Ngil)」は、当初の見積もり価格30~40万ユーロを大幅に上回った。
オークション会場の周辺に集まったガボン人コミュニティはマスクの返還を求めたが、願いは届かなかった。
アフリカニュースの取材に応じたガボンの男性はフランスを「盗人」と呼び、オークションを「盗品横領事件」と非難した。「告訴します。私たちの祖先、私の祖先、ファング族の祖先のために。私たちはマスクを必ず取り戻します」
別の抗議者も「フランスは植民地時代にガボンの先住民族が作った貴重な遺産を奪った」と非難した。
オークションの主催者は地元メディアの取材に対し、「競売は完全に合法である」と述べた。
デモ隊は警備員に取り囲まれオークション会場を後にしたが、別の場所で抗議を続けた。
アフリカニュースによると、オークションにはコンゴ民主共和国の先住民族が作ったとされる椅子も出品され、44,000ユーロ(約600万円)で落札されたという。
オークションの主催者によると、マスクの落札者は手数料とその他の費用込みで525万ユーロ(約7億円)支払う予定だという。
2006年にパリで行われたオークションでは、同じようなマスクが590万ユーロ(約8億円)で落札された。