▽マクロン政権は2年前に年金受給年齢を62歳から64歳に引き上げた。
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フランスの年金制度は存続のために2023年に抜本的な改革を行ったにもかかわらず、今後数十年のうちに赤字に転落する。会計検査院が20日、明らかにした。
マクロン政権は2年前に年金受給年齢を62歳から64歳に引き上げた。
バイル(Francois Bayrou)首相は年金制度の財政状況を明らかにするよう会計検査院に要請していた。
検査員の厳しい評価は一部の労働組合や左派・極右政党が望んでいるように、2023年の改革を撤回することを支持する議論を弱めるためものだ。
この定年引き上げは数週間の抗議デモに発展。当時のボルヌ(Élisabeth Borne)首相は国民議会(下院)で憲法49条3項を発動し、法案を採決なしで強行採択した。
会計検査院の責任者は記者会見で、「フランスにこの改革を廃止する余裕はない」と語った。
また責任者は「23年の改革で十分だと思うなら、答えはノーだ。将来の年金を満たすには十分ではない。全然足りない」と強調した。
定年引き上げはフランス人が他のEU諸国よりも長く働けることを可能にし、2030年までの年金制度の資金不足を今年予想される66億ユーロ程度に安定させるのに役立つだろう。
しかし、次の10年からは、年金受給者の増加に伴い、赤字は2035年までに150億ユーロに、2045年までに300億ユーロに膨れ上がると会見監査院は指摘している。