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仏極右ルペン議員の控訴審、検察が5年間の被選挙権停止求める

検察は3日、パリの控訴審でルペン氏に対し 5年間の被選挙権停止を求める最終弁論を展開した。
2022年6月22日/フランス、パリの議会議事堂、国民連合のルペン党首(中央)と党員(Christophe Ena/AP通信)

フランスの極右政党「国民連合(RN)」のマリーヌ・ルペン(Marine Le Pen)議員に対して、検察が選挙への立候補資格停止を求める異例の訴えを行い、大統領選(2027年)出馬への道が狭まっているように見える。検察は3日、パリの控訴審でルペン氏に対し 5年間の被選挙権停止を求める最終弁論を展開した。判決は今後数カ月内に言い渡される見通しで、政治的影響は極めて大きい。

ルペン氏は欧州議会議員時代の2004〜16年にかけて、職員給与を不正流用し、自身の政党運営に充てた「偽装雇用」疑惑に関する訴訟で、2025年3月に有罪判決を受けていた。判決では同氏に禁固4年(執行猶予2年)、10万ユーロの罰金、そして5年の被選挙権停止が科されている。ルペン氏はこれを不服として控訴していたが、検察は控訴審でも5年の禁止を維持すべきだと訴えた。

検事は法廷で「公的資金の不正流用は重大な違反行為であり、党に利益をもたらした」と指摘し、欧州議会の助成金が党活動に流用された実態を強調した。また「公的資金の不正行為は意図的かつ巧妙に隠蔽された」と述べ、ルペン氏が中心となって「システム的な不正」が行われたと断じた。

ルペン氏は法廷で静かに検察の主張を聞きながら、時折否定の意を示す仕草を見せた。弁護側はこれまで、いくつかの誤解や手続き的なミスは認めつつも、計画的な不正や組織的な資金流用はなかったと反論している。ルペン氏は記者団に対し、「法廷に足を踏み入れるたびに良い驚きを期待しているわけではない。決定権は私にはない」と語った。

今回の控訴審はルペン氏と他の10人の被告、さらにRN自体が対象となっており、審理は来週まで続く予定だ。検察は禁錮刑や罰金といった刑罰のほか、立候補禁止の維持を強く求めている。判決は夏前後になる可能性がある。判決後も上訴審に進む可能性があるが、政治スケジュールへの影響は避けられない。

仮に被選挙権停止が確定した場合、ルペン氏は2027年の大統領選に出馬できず、自身が指名する後継者が選挙戦を担うことになる。RNはすでに若手のバルデラ(Jordan Bardella、30歳)党首を後継候補として準備しているが、経験不足を指摘する声もある。ルペン氏は過去3回大統領選に挑戦し、4度目の出馬を目指していた。

この訴訟はフランス国内政治に大きな波紋を投げかけており、右派勢力の行く末だけでなく、EU資金の使途管理や政党運営の透明性といった広範な議論を引き起こしている。ルペン氏の政治生命の行方と大統領選の構図は、今後の司法判断次第で大きく変わる可能性がある。

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