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フランス・パリの地下鉄で刺傷事件、女性3人負傷、男逮捕

事件はパリ中心部を東西に貫く地下鉄3号線の複数の駅で午後4時頃に立て続けに発生。3人の女性はいずれも命に別条はなく、警察が事件発生から数時間後に男を逮捕したという。
フランス、パリ中心部の駅構内(Getty Images/AFP通信)

12月26日午後、フランス・パリ中心部にある地下鉄駅で男が3人の女性をナイフで襲う事件が発生した。検察当局が明らかにした。

それによると、事件はパリ中心部を東西に貫く地下鉄3号線の複数の駅で午後4時頃に立て続けに発生。3人の女性はいずれも命に別条はなく、警察が事件発生から数時間後に男を逮捕したという。

被害に遭った女性たちはそれぞれ背中や腿などに切り傷を負い、病院に搬送された。地元メディアの報道では、目撃者が負傷した女性の一人を見て「かなりの出血があり、深い切り傷だった」と証言している。

パリ警察は複数の通報を受け捜査を開始。地下鉄構内の防犯カメラ映像や目撃情報を手がかりに容疑者の身元を特定した。捜査関係者によると、CCTV映像の解析に加え、容疑者の携帯電話の位置情報を活用することで、パリ北方の地域にある容疑者の自宅を割り出し、26日遅くに逮捕したという。

男は20代半ばとみられ、過去に軽犯罪や器物損壊などの前科があるとされる。動機については現時点で詳しい説明はなく、捜査が進められている。当局は事件当初、テロの可能性について慎重な見方を示していたが、宗教的・政治的動機を示す具体的な証拠はなく、初期の調査ではテロである可能性は低いとみられている。

この事件は年末の繁忙期に発生し、パリ市内の公共交通機関利用者や地元住民に衝撃を与えた。パリでは過去にも地下鉄や駅構内での刺傷事件や暴力事件が発生し、当局は治安維持と市民の安全確保のため、治安部隊の配置と警戒態勢を強化している。特に年末年始にかけては多くの人が移動する時期であるため、追加の安全対策が求められている。

パリ交通公団(RATP)は事件後、3号線の当該区間で一時的な運行の混乱があったと報告。現場の安全確認と通常運行への復旧を進めたとしている。また、地元当局は被害者支援を優先し、必要な医療と心理的サポートの提供を表明した。今後、パリ検察は容疑者に対して殺人未遂などの容疑で捜査を進める方針である。警察は容疑者の身元と認否を明らかにしていない。

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