SHARE:

ユダヤ人の殺害企てた疑い、兄弟逮捕 フランス


兄弟は過激な思想に影響を受けていたとみられ、オンライン上の過激なコンテンツや反ユダヤ主義的な思想に接触していた可能性がある。
フランスの警察官(Getty Images)

フランスでユダヤ人を標的とする殺害計画を企てていた疑いで、兄弟2人が警察に拘束された。現地メディアが15日に報じた。警察はこの計画を「反ユダヤ主義的な陰謀」と位置づけ、テロ対策部門が捜査を進めている。事件は国内で高まる過激化や反ユダヤ主義への懸念を改めて浮き彫りにした。

内務省によると、拘束されたのは20歳と22歳の兄弟で、南フランスで警察に身柄を拘束された。2人はユダヤ人を標的とする襲撃を計画していた疑いが持たれており、武器の入手や攻撃計画の準備を進めていた可能性があるという。当局は計画が実行に移されれば多数の犠牲者が出る恐れがあったとして、事前に阻止できたことを強調した。

当局によると、兄弟は過激な思想に影響を受けていたとみられ、オンライン上の過激なコンテンツや反ユダヤ主義的な思想に接触していた可能性がある。捜査では電子機器の解析や関係者への聞き取りが進められ、計画の具体的な標的や協力者の存在についても捜査が続いている。

フランスでは近年、テロ対策の強化が続いている。特にイスラム過激派や極右思想に関連するテロ事件が相次ぎ、政府は監視体制や治安対策を拡大してきた。2015年にはパリの週刊紙編集部が襲撃され多数の死者が出る事件が発生し、国内外に大きな衝撃を与えた。

また2012年には南西部トゥールーズでユダヤ人学校が襲撃され、教師や子どもを含む複数の犠牲者が出る事件も起きている。こうした過去の事件を受け、中央政府はユダヤ人施設の警備を強化し、テロ防止のための情報収集や監視活動を強化大してきた。

フランスには欧州最大規模のユダヤ人コミュニティが存在し、反ユダヤ主義に基づく犯罪や脅迫が社会問題の一つとなっている。政府は近年、宗教施設や学校の警備を強化するなど対策を講じているが、インターネット上での過激思想の拡散や若者の急進化が新たな課題となっている。

今回の事件について、当局は計画が実行される前に阻止できたことは重要だと強調しつつ、過激思想の拡散や憎悪犯罪の増加に対して警戒を続ける必要があると指摘している。警察と情報機関は同様の脅威を未然に防ぐため監視活動を継続するとともに、過激化の兆候を早期に把握する取り組みを強化していく方針だ。

フランス政府はテロ対策と同時に宗教的少数派の安全確保を重視する姿勢を示しており、今回の摘発は国内の安全保障と社会の結束を守るための取り組みの一環と位置づけられている。事件の詳細や動機の全容は今後の捜査で明らかになる見通しである。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします